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2021-08-11

【ボクシング】東京五輪報告会 金メダルの入江「認知度が上がってよかった」

金1、銅2と過去最高の成績を残した日本チーム(写真提供/日本ボクシング連盟)

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日本ボクシング連盟は11日、東京五輪ボクシング報告会をオンラインで開催。金1、銅2と日本が過去最高の成績を収めるに至った過程を報告し、男女6人の代表選手が大会を振り返った。

 ウズベキスタン出身のウラジミール・シン強化コーチは、コロナ禍の影響で東京五輪の強化プランは再三の変更を余儀なくされたと明かした。その中でも5月、ロシア・ハバロフスクで開催された国際大会に出場して好成績を残せたことに加え、ここで各国の代表選手たちと行った合同合宿が大きな成果を挙げたと指摘。初参加となる女子の強化も急務と考え、帰国後は北海道、東京で2回の合宿を行い、指導陣との相互理解を深めてきたことが選手の急速な成長につながったとした。

 女子フェザー級で優勝し、男女を通じて日本で3人目の金メダリストとなった入江聖奈(日体大)は、自身の快挙に「自分でも驚き、うれしく思っています」とコメント。最高の年となった2021年は「全日本で優勝して締めくくりたい」と次の目標を語った。金メダル獲得後は、公園でカエルを探していても話しかけられるようになったと言い、「認知度が上がってよかったです」と喜んだ。

 女子フライ級で3位入賞を果たした並木月海(自衛隊体育学校)は「銅メダルを獲れてうれしい。周囲の皆さんに支えられたことに感謝したい」と振り返り、今後は「やはり世界一を目指していきたい」と、さらなる意欲を示した。

 男子フライ級の銅メダリスト、田中亮明(中京高教諭)は「ミスター・アップセット、田中亮明です。沢山の応援に感謝しています」と笑顔。「五輪に向け、チームのみんなと一緒に練習できて楽しかった。ちょっと休んで、今後のことを決めたい」と話した。

 男子キャプテンでライト級の成松大介(自衛隊体育学校)は、1回戦を突破したものの、バッティングで額を陥没骨折して無念の棄権。大会期間中はほとんど病室で過ごしたが、「五輪選手で五輪を一番観戦したのは自分かも」と言うほど中継を楽しんだという。これからについては「人の役に立てる人間になりたい」と話した。

 ウェルター級2回戦で敗れた岡澤セオン(INSPA)は「悔しさが大きく、まだ立ち直れていない。でも沢山の人にアマチュアボクシングを見てもらえて、幸せだった。パリでは必ず金を獲る」とリベンジを宣言。ミドル級2回戦で敗れた森脇唯人(自衛隊体育学校)も「楽しかったが悔しい。今後は世界選手権、アジア大会、パリに向けて頑張る。ロスも頑張ります」と、長い先まで見据えていた。

 内田貞信会長は、今回の好成績がアマチュアボクシングの競技人口の拡大につながると期待。今後は指導者の育成に力を注いでいきたいと話した。ただ、一部のテレビ番組で女子ボクシングを揶揄する発言をした野球評論家の張本勲氏に対しては、連盟から抗議文を出したことを明らかにし、「張本氏には理解を持って女性のボクシングを見ていただきたい」と要望した。

写真/善理俊哉

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