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2021-09-17

【相撲編集部が選ぶ秋場所6日目の一番】御嶽海、会心の相撲で1敗を守る

全勝照ノ富士を追う1敗グループの一人・御嶽海が、「最高の相撲」で琴ノ若を電車道で押し出した

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御嶽海(押し出し)琴ノ若

この2日間、大関以上が安泰だったが、正代、貴景勝が続けて敗れた。照ノ富士は若隆景をモロ差しに誘い、左右から抱え込んで、極め出しで6戦全勝。幕内の前半戦で全勝だった千代の国が敗れたので、6日目で単独トップに立った。

星を整理すると1敗で追うのは関脇御嶽海、平幕の霧馬山、阿武咲、妙義龍、千代の国の5人となった。6日目は照ノ富士に対抗できる力を持つ御嶽海を取り上げたい。

この日の対戦相手は初顔となる琴ノ若。「初顔でちょっと緊張したけど、自分の相撲を取れば大丈夫だと思っていた」と、御嶽海は自信を持っていた。

立ち合い、頭から当たっていった御嶽海。左右からおっつけ気味にいってモロハズ押し。受けてしまった琴ノ若を電車道で押し出し、格の違いを見せつけた。

「相手は長身なので頭からいった。下からしっかり当たって足も出て最高の相撲だったと思う。番付の差を見せられた」と自画自賛。

「稽古場でやってきたことが出せている。ここまではいつもどおりだと思うんで」と語る。先場所も6日目までは5勝1敗だったのだが、終わってみれば8勝7敗だった。

実力は優勝2回の実績が物語る。貴景勝や朝乃山、正代よりも先に大関に上がる力がありながら、関脇、小結に居座り続けているのは気持ちにむらがあるから。「今場所は気持ちよく取ることを意識している。今のところはかみ合っている感じです」と手応えをつかんでいる。

朝乃山が一年間出場停止で貴景勝も大関陥落の危機だ。そろそろ御嶽海が大関に上がらないと、番付がスカスカになってしまう。本人も周囲の期待は痛いほどわかっている。12月で29歳となり年齢的にも今頑張らなければ先はない。この場所を大関昇進の足掛かりとしてほしいものだ。

優勝争いについて聞かれた御嶽海は、「まだ先があるので、その日の対戦相手に集中していきたい」。今場所はいつも以上に気合が入っており、これまでとは違う御嶽海を期待してもいいかもしれない。

文=山口亜土

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