妙義龍(寄り切り)志摩ノ海全勝の照ノ富士は落ち着いた取り口で新鋭の琴ノ若を退けたが、5人いた1敗力士は千代の国、阿武咲、霧馬山、御嶽海の4人が敗れた。新横綱を追うのはベテランの妙義龍ただ1人となった。
稀勢の里や豪栄道と同世代の妙義龍だが、今場所は年齢を感じさせない動きを見せている。前に攻める意識が強く出ている相撲を取っている。
7日目は志摩ノ海と対戦。立ち合いの踏み込みよく右を差し、左をおっつけながら前に出て左上手を取った妙義龍。土俵に詰まった志摩ノ海が左に回り込むが、足の運びもよく体を密着させて、相手に反撃のスキを与えず寄り切った。
「立ち合いがよかったんじゃないですか。足の運びもよかったです」と会心の相撲に笑みを見せる。
妙義龍はこの日で幕内800回出場を達成。本人は知らなかったようで、「白星で飾れてうれしいですね。何とか一生懸命に取っています。これからも今日みたいな相撲が取れればいいですね。また明日頑張ります」とご機嫌で国技館をあとにした。
3場所連続の負け越しで西10枚目まで番付を下げている妙義龍だが、今場所は大勝ちが期待できそう。優勝争いまで望むのは酷かもしれないが、できるだけ照ノ富士についていってもらいたい。
ここまでの星を整理すると、全勝で照ノ富士、1敗で妙義龍、2敗は正代、御嶽海、霧馬山、大栄翔、阿武咲、隠岐の海、遠藤、千代の国の8人。今後、照ノ富士と対戦する正代、御嶽海、大栄翔には、優勝争いの興味をつなぐためにも頑張ってほしい。
文=山口亜土