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2021-09-22

【ボクシング】大沢宏晋が技見せ5回負傷判定勝利/ダイナミックな右アッパーで与那覇勇気が3回TKO勝ち

2年ぶりのリングながら、巧さを披露した大沢(左)

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 22日、京都市体育館のWBC世界ライトフライ級タイトルマッチの前座で8回戦2試合が行われた。元東洋太平洋フェザー級王者で現日本同級7位の大沢宏晋(おおさわ・ひろしげ、35歳=オール)は58.0kg契約戦で高林良幸(32歳=RK蒲田)に5回37秒負傷判定勝ち(50対45、50対46、50対46)。バンタム級戦は日本同級10位の与那覇勇気(30歳=真正)が、元新人王スーパーフライ級西軍代表で日本ランカーの川口勝太(37歳=ディアマンテ)を3回1分49秒TKOに下した。

文_本間 暁(ライブ配信観戦) 写真_早浪章弘

 2019年10月以来の試合となった大沢だったが、サウスポー高林の右を左でポンポンと叩き落としてリズムを取ると、右ストレートから左フック、あるいはインサイドに打ち込んでいく左ストレートでペースを支配した。入りすぎず退きすぎず。この距離をキープするバランスの良さで、攻撃のテンポをグングンと上げていく。4回には左で高林の右目下を腫れさせ(レフェリーは頭による負傷と裁定)、さらには右で高林の鼻の頭をカットさせる。右からの入り、左からの入り、上下への打ち分けと、やりたい放題の様相に。
 すると、5ラウンドが開始されてまもなく、レフェリーが高林にドクターチェックを促し、右目の塞がりかけた状態を考慮してストップ。ジャッジの採点に委ねた。
 2016年11月、WBO世界フェザー級王者(現WBCスーパーフェザー級チャンピオン)オスカル・バルデス(メキシコ)にアメリカ・ラスベガスで挑戦し7回TKO負け。三十代中盤を迎えながら、依然として若々しいボクシングを保ち、「もう1度、世界に駆け上がりたい」と真剣な眼差しで語った。
 大沢の戦績は46戦37勝(21KO)5敗4分。高林の戦績は22戦9勝(4KO)12敗1分。

攻撃力の高さを見せた与那覇(右)
攻撃力の高さを見せた与那覇(右)

 かつては流麗なフットワークを駆使していた川口だったが、3年5ヵ月ぶりのリングに加え、年齢も影響しているのか。動きはいかにも重く、与那覇はそれに合わせて最初から荒々しく攻めていった。
 2ラウンドに入ると、与那覇のファイタースタイルはこなれてき、さばきたい川口に左右のボディブローを何度も叩きつけていく。与那覇の左をかわして右クロスを狙う川口だったが、激しい攻めに、後手を踏まざるをえなかった。
 そして3ラウンド。両者が交錯した際に、川口が右足首を捻ったのか、レフェリーがドクターに診せる。やや間があった末に試合が再開されると、与那覇は左ジャブをクリーンヒットして、一気に左右のスイング。そして突然放った、ダイナミックな右アッパーカットを炸裂させると、川口はキャンバスに大の字に。レフェリーが即、試合終了を宣言した。
「まだぺーぺーだと思うけど、日本タイトルに挑戦することになれば、絶対に獲ります」と与那覇。かつての業師・川口を痛快に倒して意気軒高だった。
 与那覇の戦績は14戦10勝(7KO)3敗1分。川口の戦績は33戦21勝(9KO)11敗1分。

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