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2021-09-23

【アメフト】日大、平本HCが関東学連の会見に出席 監督は置かず「自分が全責任」

オンライン会見に出席した日大の平本HC=KCFA提供

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関東学生アメリカンフットボール連盟(KCFA、廣田慶理事長)は9月22日、10月の秋シーズン開幕を前にオンラインで記者会見を開いた。会見には、1部リーグTOP8、同BIG8の16校の監督・ヘッドコーチ(HC)と主将が登場した。8月31日に、橋詰功・前監督が退任した日本大学からは新任の平本恵也HCが参加した。
 平本氏のHC就任は、各メディアが報じていたが、公式に明らかになったのは初めて。平本HCは、日大は今季監督を置かず、チームの指導者としての責任は自分にあることを明らかにした。

 平本HCは、部の公式ホームページなどでの公開・発表が遅れていることをわびたうえで、「9月1日に、日本大学フェニックスHCとして着任しております」と語った。
 その後、コーチの体制も整いつつあり、まだ詳細は発表できないが、佼成学園中学・高校で平本HCの後輩にあたる藤巻辰崇さんをアシスタントHC格として、計10人ほどコーチングスタッフで選手の指導に当たっているという。
 平本HCは富士通の社員としての身分はそのままで、HCとなる。現在は、青山学院大大学院の国際マネジメント研究科に在学中という。
 従来とは異なり、監督は置かない。平本HCは「日本大学フェニックスの全責任は私にあります」と明言した。

オンライン会見に出席したTOP8の指導者と主将=KCFA提供

 TOP8の8大学指導者は、
1)コロナ下のチーム作り、
2)今シーズンはどのように戦うか
について、それぞれ答えた。(発言の順は2019年シーズンの順位に基づく)

早大・高岡勝監督
1)昨季はコロナ罹患で、対戦校の立教大学にもご迷惑をかけた。今季は自分たちでできるだけコントロールすることに尽力してきた。 選手本人、保護者の方、大学側の理解も得て、春は比較的練習ができた。一丸となって、強化に取り組めた。

2)今季は、昨年の順位をしっかり受け止めて、チャレンジャーとして初戦の桜美林大学をはじめ、各校と戦う。1戦1戦、全員で、全力を尽くして戦い抜く。

法大・有澤玄監督
1)コロナ下で世の中の全ての人たちが苦労されている。難しい状況の中で、感染拡大を防ぐため、個人個人がしっかりと知識を持って活動するようにしている。

2)今季の戦い方については、毎年同じことを言っているが、法政らしい攻めたタフなフットボールで戦いたいと思っている。

中大・須永恭通HC
1)今季も、昨年に続いて(夏季)合宿を見送った。新入生の勧誘や、練習時間の制限、制約では苦労したが、昨年の経験があるので、昨年よりは改善した活動ができたと考えている。

2)ウチは上手なプレーはなかなかできないので、走り勝って、熱さで勝つような、全員で必死に泥臭くプレーするようなフットボールを目指して、それで勝ち上がっていきたい。

明大・岩崎恭之監督
1)コロナ下のチーム作りということでは、罹患者が出てしまって、春のオープン戦は1試合だけ。夏の合宿も2年連続できなかった。計画通り進まない中で、学生のモチベーション維持では苦慮した。チーム全体の底上げに注力してチーム作りを行ってきた。

2)1試合1試合を大切に、明治らしくスピード重視の全力フットボールをお見せしたい。


立大・中村剛喜監督
1)月並みだが、感謝の気持ちという一言に集約されると思う。この環境の中で好きなフットボールができるのは、当たり前じゃないということ。平時ではなかなか実感できないと思うが、様々な制限の中で自分たちでいろいろな工夫を強いられることで、与えられた環境に感謝の気持ちを持つことができている。人間的な成長につながっている。
2)学生一人一人、全員がその気持ちを表現してシーズンを戦ってくれると思っている。

東京大学 森清之HC
1)良くも悪くも慣れてきたということを感じている。良い面としては、去年大きな打撃を受けたリクルーティングについては、今年は学生たちがよく頑張って、コロナ以前と変わらない新入部員が入ってきた。悪い面としては、対面のミーティングができなかったり、練習後に一緒に食事をすることができなくなったために、「チーム文化の継承」という点で、ボディーブローのように効いている。また昨年春から続く実戦経験の不足ということも非常に大きい。

2)未経験者が大半を占めるウチのようなチームは、厳しいところがある。力不足を自覚しながら「一寸の虫にも五分の魂」、下手は下手なり、弱いものは弱いものなりに、何んとか意地を見せられればいいと思う。


桜美林大 寺田隆将HC
1)学生たちは、この春先からかなり活動を制限されている。フットボール出来ること自体が当たり前じゃないという感謝の気持ちを持って取り組んでいる。半分に分かれて練習したり、練習終了を早めたりということが、大学からも指導として来ている。そういう中で苦労しているのはコミニュケーション。横のつながりを大切にしてほしいと感じている。

2)今季は、結果を残し続けられるチームにしたい。当たり前のことを当たり前にできる文化づくりをきっちりやっていきたい。自分たちが誇りを持てる戦い、卒業した後でも「フットボールをやっていてよかったな」と言えるような戦い方をしてほしい。コーチ陣もそのサポートを全力でしたい。

日本大学 平本恵也HC
1)他の大学と同様いろいろな活動制限を受けている中で、なかなか思うように練習できないという点では苦労している。ただ早い段階でワクチン接種を大学で受けることができた。選手・スタッフは全員が2回目の接種までを終えている。選手一人一人の意識改善も進んでいて直近は、かなり安定して練習ができている状況になっている。

2)今季は、目の前の1試合、1プレーに全力を尽くして戦っていきたい。

新たにロゴ、スローガンを定める

KCFAのスローガン


 KCFAは、今回の記者会見に合わせて、連盟のスローガンとビジョン、リーグ戦ロゴを新たに定めて発表した。

スローガンは
「ONE PLAY, ONE SKY(ひとつ青い空の下、最高のワンプレーを。)」

 連盟ビジョンは、「組織として、そして学生スポーツ競技団体としてのあるべき姿や目指す姿を使命や目標などとして定め、関係者一同がそれらの実現に向けて行動していくための指針となるもの」という。

 リーグ戦ロゴは、攻防の激しさを盾と矛で表現した。

 ビジョンは、2年ほど前から連盟内ビジョン策定プロジェクトチームで検討を重ねて、できた原案を基に、早大OBの鈴木聡史さんがスローガン、リーグ戦ロゴとともに作成した。
KCFAのリーグ戦ロゴ

◆連盟ビジョン
◇ミッション(フットボールの使命)
・学生一人ひとりの人間的な成長を支え、大学スポーツの本質を追求し、豊かな未来を描く
・アメリカンフットボールの魅力を高め、日本のスポーツ文化を通じての社会の発展に貢献する
◇ビジョン(フットボールの目標)
Sustainability スポーツとしての魅力を高め、競技人口の拡大を実現する
Update フラッグフットボールの普及・拡大を図る
Diversity 女性や子どもをはじめ多様な層へ魅力を広めていく
◇バリュー(フットボールの覚悟)
・競技及び組織の透明性を追求し、真のスポーツマンシップの涵養に努める
・新しい日本の社会に貢献し、グローバルな視点を持った人材を育てる
・競技の安全性を第一に高め、FAIR(公平に)、HONEST(正直に)、RIGHT(正しく)を柱として、大学スポーツの進化のロールモデルを目指す

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