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2021-10-05

【ボクシング】田中恒成とのサバイバル戦に臨む石田匠。「ラストチャンスに賭ける!」

田中攻略に自信満々の石田

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 12月11日、愛知県・名古屋市国際会議場で元世界3階級制覇王者・田中恒成(26歳=畑中)と52.5kg契約10回戦を行う元日本スーパーフライ級王者・石田匠(29歳=井岡)が4日、所属ジムで会見し、練習を公開した。

 晴れ晴れとした表情が、石田の精神的な充実度を物語る。2017年10月に、敵地イギリスで、当時WBA世界スーパーフライ級王者だったカリド・ヤファイに挑み0-3判定負け。さらに2019年12月には、イスラエル・ゴンサレス(メキシコ)とIBF挑戦者決定戦を行い、1-2の判定を失った。

「ここまで2回チャンスを逃してこれが3度目のチャンス。最後のチャンスだと思って戦う」──。言葉は悲壮感を思わせるものの、心にある確固たる自信が手に取るようにわかる。

「(田中は)リーチが短いのでジャブが当たるはず。それに打たれ強くはないと思う」。かつての同門で、憧れの先輩、井岡一翔(志成)との昨年末の試合を見て田中を分析。攻略法をしっかりと頭に思い描いている様子だ。

両者と手合わせをした矢吹は、それぞれの長所を語った
両者と手合わせをした矢吹は、それぞれの長所を語った

 リーチの長短は戦い様でいくらでも補うことができるが、石田は田中に“補わせず”長さを生かした戦いを進めていくつもりだ。
 日本王座5度防衛当時から、左ジャブには定評があった。昨年11月に、“ホープ”石井渡士也(REBOOT.IBA)をもコントロールした左は、戦った誰もが「やりづらい」と声をそろえるもの。WBC世界ライトフライ級新チャンピオン、矢吹正道(緑)もそんなひとりだ。矢吹は寺地拳四朗(BMB)戦前に、田中、石田の両者とスパーリングを重ねている貴重な実体験者なのである。

「石田選手のジャブは厄介。ノーモーションで打つし、2発目をフリッカー気味に打ったりもする。総合力では恒成が上ですが、ジャブをもらってムキになるとどうなるか……」(矢吹)

 田中はWBO9位、WBC9位。石田はIBF5位、WBO10位。ともに世界ランキングに名を連ねており、この試合の勝者は主要4団体での挑戦資格を得ることになる。生き残り戦であり、一躍トップに飛翔する重要な試合でもある。アウトボクサーとしての印象が強い石田だが、「自分のボクシングをしつつ、プレッシャーをかけていく。初回から倒しに行く」と攻撃的アウトボクシング・スタイルでの田中攻略を宣言した。

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