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2021-10-21

【箱根予選会】徳本監督就任10年目の駿河台大は初出場なるか「実力が発揮できれば行けるか行けないかの水準に」

箱根予選会突破を目指す駿河台大

10月23日(土)の9時35分に陸上自衛隊立川駐屯地内周回コース(ハーフ)で行われる第98回箱根駅伝予選会。上位10チームが箱根本戦に駒を進めるが、初出場に最も近い位置にいると言われているのが駿河台大だ。6月の全日本大学駅伝関東選考会では初の三大駅伝出場に約29秒まで迫った。ハーフのタイムでは出場する有力校で10位につけている(10月5日時点の編集部把握分)。

ブヌカの貯金、2人の日本人エース

箱根予選会を前に一番勢いを感じさせるのが、埼玉県飯能市を拠点にする駿河台大だ。

6月の全日本関東選考会は惜しくも8位。三大駅伝初出場は叶わなかったが、箱根予選会では、激戦を勝ち抜き、44校目の初出場校になるかと注目されている。駿河台大が箱根行き切符をつかめば、2016年の東京国際大以来、6年ぶりの新顔になる。

チームを率いるのは、法政大2年時に1区区間賞を獲得した42歳の徳本一善監督だ。2012年に監督に就任すると、駅伝チームの強化をイチから始め、19年には箱根予選会でチーム史上最高の12位に押し上げた。

前回は15位に後退したが、今季のチームを「今年は実力をちゃんと発揮できれば、箱根に行けるか行けないかの水準にきている」と分析する。

チームの大駒を務めるのは、留学生のブヌカ・ジェームス(4年)だ。9月の日本インカレ10000mで連覇を果たし、昨年の箱根予選会では1時間00分34秒で個人4位。今年も大きな貯金をもたらすだろう。ブヌカについて指揮官は「駅伝を理解し、自分の役割も分かっている選手」と信頼を寄せている。

日本人エースは、3年生の2人。今年の箱根駅伝を関東学連選抜の一員として走った町田康誠(9区12位相当)と、清野太成だ。町田と清野は10000m28分台とブヌカに続くタイムを持つが、全日本選考会では29分40秒台と不調だった。「ケガもないし、今は調子がよくなっている」とともに箱根予選会で力を発揮する機会を待ち望んでいる。



白鴎大足利高(栃木)出身の町田と地元飯能南高(埼玉)出身の清野

そしておもしろいのが、中学教員の自己啓発等休業制度を利用し、昨年、駿河台大3年に編入した31歳の今井隆生(4年)だ。チームの4番手は「監督が10年目という節目に、僕たちが本戦への道筋を示したい。そのためにも僕は絶対失敗できない」と誰よりも熱い。

予選出場41チームで、箱根行きの切符を手に入れられるのは10校のみ。今年も激しい争奪戦になりそうだが、徳本監督は「今年は誰も壊れてないし、血液状態もいい。あとは本人たちのメンタルです」と仕上がりの良さを強調する。98回目の箱根に新たな歴史を刻めるか、まさに勝負の時を迎えている。


31歳の今井は来年、再び中学教員に戻る。駿河台大駅伝部初の留学生、ブヌカも最終学年に

駿河台大の過去10年の箱根予選会成績
2020年 15位
2019年 12位
2018年 18位
2017年 23位
2016年 19位
2015年 19位
2014年 19位
2013年 25位
2012年 25位
2011年 27位

文/鈴木快美 写真/松田杏子、桜井ひとし

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