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2021-10-11

【陸上】東洋大の大物ルーキー・石田洸介が出雲5区4人抜きの区間賞で真価を発揮「純粋に楽しかった」

復活途上ながら出雲駅伝でその実力を見せつけた石田

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復帰途上に区間賞デビュー

 学生三大駅伝開幕戦、10月10日に行われた出雲駅伝で3位に入った東洋大。エース格が不出場のなか、大会前の下馬評を覆す好成績を収めた。その原動力となったのが、5区のルーキー・石田洸介だ。4区で2つ順位を上げた九嶋恵舜(2年)から6位でタスキを受けると、4校を次々と抜き去って2位に浮上。トップの東京国際大との差を1分02秒から28秒に縮めた。中継所で待つ6区の柏優吾(3年)の姿が見えると、石田は小さくガッツポーズ。大学駅伝デビュー戦を堂々、区間賞で飾った。

「4区までの先輩方が流れをつくってくださったので、それを追い風にして、思い切り走れました。結果的に区間賞もついてきて、自分としては良い走りができたと思います」

 レース後の石田の表情は明るかった。気温30度を超える暑さや向かい風が影響し、区間タイムは18分55秒。設定タイムには10秒及ばなかったものの、「天候に左右される部分が大きいので、タイムはあくまで目安。それよりも前を追うこと、6区の柏さんに良い位置で渡すことが自分のなかでは重要でした」と話し、レース内容には納得している様子だ。

 福岡・浅川中では1500mと3000mの中学記録、5000mの中学最高記録を樹立。群馬・東農大二高3年時の昨年には、5000mで当時の高校記録となる13分34秒74をマークした。ただ、その後に左の足底付近を痛め、大学入学後も別の部位に痛みを抱えるなど苦しんだ。今季前半に唯一出場した6月下旬の日本選手権5000mでは、3000m地点で途中棄権。走りのバランスが悪くなっていたといい、酒井俊幸監督からアドバイスを受けたり、トレーナーに体を診てもらったりして、徐々に本来の感覚を取り戻した。本格的に練習を再開したのは8月の終わりで、「今後に向けてのステップという位置付けでした」と酒井監督。復帰途上に、大きな一歩を踏み出したと言えよう。

世界に目を向けながら、
全日本、箱根で快走を

 大学4年で迎える2024年のパリ五輪を見据え、“世界への挑戦”を指針に掲げる東洋大に進んだ石田。チームは今夏の東京五輪に、短距離と競歩も含めて8人のOB、現役部員を送り込んだ。なかでも、20㎞競歩で銀メダルの池田向希、50㎞競歩で6位の川野将虎(共に旭化成)は卒業後も東洋大を練習拠点にして酒井瑞穂コーチの指導を受けており、間近でその取り組みを見る機会に恵まれ、酒井監督もこれまで多くのオリンピアンを育成してきた指導者である。「五輪を間近に見てきた監督の話は、僕が考えたり、想像したりするよりも、ためになることばかり。僕にはまだ足りない部分が多いですが、世界を見るとはこういうことなのだな、と毎日実感しています。僕も少しずつ、近づいていけたらいいと思います」と、石田も世界への意識を持ち、充実した日々を送っている。

 鉄紺のチームカラーに、早くも馴染んでいる石田。東洋大の一員として初めての駅伝を終え、「大学駅伝は憧れの舞台のひとつ。その1戦目を走れて、純粋に楽しかったです」と微笑んだ。酒井監督によると、11月7日の全日本大学駅伝に出場した後、来季に向けて10000mで記録を狙うプランを立てているそうだが、まずは次戦の全日本、そして1月2日、3日の箱根駅伝に全力を尽くす。スピードとスタミナの両立、向かい風でもぶれない走りをするためのフィジカル面の強化など、「課題だらけ」と謙遜しながらも、「チームとして優勝を目標にしているので、自分も貢献したい。1年生ですが臆せず、他大学のエースに負けない走りをしたいです」と活躍を誓った。

文/石井安里

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