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2021-11-01

【陸上】駅伝のスピードをマラソンへ――日本歴代5位・土方英和(Honda)、進化の途中

ベルリンでは貴重な経験を積んだ土方

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ベルリンで得た貴重な経験
駅伝をステップに次戦へ

 土方にとって初の海外参戦は厳しい結果に終わったが、収穫もあった。初マラソンの2020年東京、今春のびわ湖とどちらも日本記録が出るレースを経験し、今回はそれをも上回るハイペースに身を置いた。62分台前半でハーフを通過するレースにも恐怖心はなく、それを初の海外で、しかもタフなコンディションのなか、経験できたことに価値がある。

「走り終わった瞬間に感じたのはスピードが足りないということ。びわ湖は1km2分58秒ペースで練習していれば大丈夫と思い、実際そのペースをゆとりを持って走れましたが、今回は同じ気持ちで走って2分55、56秒できつくなってしまいました」

 この改善が今後の課題と本人は話す。

 また過去3戦、最後まで粘り切れたレースがないことも本人は不満だ。ベルリン前もコンディションが決して良くない中で120分のジョグを定期的に入れるなど、後半の強さを求める練習も積んでいた。今後はその部分のさらなる伸長も求めたい。

「私の経験的にまだ日本代表を目指すとは言えません。ここからの駅伝をしっかり走り、同時に練習の継続をしっかりできるか。ミスなく練習を積み重ねた先に見えてくると思います」

 小川監督は今回の結果に悲観も楽観もしていない。世界標準のハイペースで入りながら、終盤にどこまで持ちこたえられるか。その取り組みの真っただ中に土方はいる まだマラソンランナーとして小川監督の求める練習のレベルには到達しておらず、「練習の継続」が引き続きのキーワードになる。

 同時に監督の言葉にある通り、これからのシーズンは駅伝でのパフォーマンスも求められる。11月3日の東日本実業団駅伝でも14人のエントリーメンバー入りしている。先に挙げたオリンピアン2人を擁するHondaは1月の全日本実業団駅伝(通称ニューイヤー駅伝)で初優勝を狙える布陣であり、実際にタスキをかけて走る7人をめぐる争いもし烈になることは間違いない。その座を勝ち取り、結果を残すことがマラソンに向けたスピード強化につながっていくはずだ。

マラソン次戦は3月の東京マラソンを予定している。そこまでの駅伝で土方がどのような走りを見せるのか。発展途上の大器が成長していく姿に注目していきたい。

文/加藤康博 写真/Getty Images

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