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2021-11-03

【東日本実業団駅伝】富士通が後半区間で巻き返し連覇。2位のHondaは元日での巻き返しを誓う

厚い戦力で連覇を果たした富士通(左は坂東、右は松枝)

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第62回東日本実業団対抗駅伝競走大会が11月3日、埼玉県熊谷市の熊谷スポーツ文化公園内の周回コース(7区間、76.4km)に23チームが出場して行われ、富士通が3時間40分04秒で2年連続4回目の優勝を果たした。2位は8秒差でHonda、3位は富士通に13秒差で日立物流が入り、上位12チームが元日の第66回全日本実業団対抗駅伝競走大会(通称、ニューイヤー駅伝)への出場を決めた。

Hondaが握った主導権を
富士通の同期3人が後半に奪い返す

序盤の主導権を握ったのはHondaだった。東京五輪男子10000m代表の伊藤達彦が終盤に抜け出し、後続に13秒差をつける区間賞の走りで先陣を切る。2区でジャスティス・ソゲットが区間15位の低空飛行で8位まで順位を落とすも、3区・小山直城、4区・青木涼真が連続区間賞でチームを再度、先頭に引き上げた。

ただ、富士通の高橋健一駅伝監督は冷静に戦況を見ていた。

「Hondaさんが強いことは分かっていたので、前半で遅れたとしても5区からの松枝(博輝)、潰滝(大記)、横手(健)の同級生3人で何とかしてくれると期待していました」

4区を終えた時点でHondaとの差は29秒。ここから松枝、潰滝が区間タイムでHondaを上回り、最終7区で横手にタスキが渡った時点でHondaのアンカー、設楽悠太との差は1秒にまで迫った。

「自分の持ち味はラストスパート。最後に一発、決められれば」と横手は残り1km付近からロングスパートを仕掛け、それが見事に成功。優勝のフィニッシュテープを切った。

富士通は東京五輪マラソン代表の中村匠吾、マラソン日本記録保持者で10月のシカゴマラソン(4位)を走ったばかりの鈴木健吾は起用されなかったが、狙いどおりの展開での連覇を達成した。高橋監督は「ニューイヤー駅伝は約100kmですが、今回は約75km。距離が短いので、彼らがいたとしても(起用できたとしても)今日と同じメンバーにしたかもしれません。2人がいなくても弱いチームではありませんので。ただ1月のニューイヤー駅伝では2人が入ってのメンバー争いになるでしょう」と今回走った選手たちへの信頼を口にし、今後のチーム内の競争を促した。


2年連続4回目の優勝を果たした富士通のメンバー。ニューイヤー駅伝でも連覇を狙う

この日、3区で安定した走りを見せたリオ五輪3000m障害代表の塩尻和也、さらに東京五輪5000m代表の松枝に坂東悠汰(4区区間3位タイ)とトラックのオリンピアン3人に加え、マラソンで日本トップクラスの能力を誇る中村、鈴木が加わる布陣は楽しみのひとこと。1月にコンディションが合えば、ニューイヤーでも連覇が見えてくる。

文/加藤康博 写真/中野英聡

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