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2021-11-06

【NFL】延べプロ20チーム目、「旅人」QBジョンソンとは

◇コルツージェッツ◆途中から出場したQBジョンソン。延べ20チーム目というジャーニーマンだ=photo by Getty Images

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インディアナポリス・コルツ○45-30●ニューヨーク・ジェッツ
(2021年11月4日、ルーカス・オイル スタジアム)


 チーム再建の命運を託し、ドラフト全体2位で指名したゴールデンルーキーのQBザック・ウィルソンが負傷欠場中のジェッツ。前週は、NFL初先発の代役QBマイク・ホワイトが、予想外の大活躍を見せてベンガルズに逆転勝ちした。

 先発2試合目、注目を集めたホワイトだったが、第1Qに同点となるTDパスを決めた際に、コルツの選手と接触して利き腕を痛め、試合から退いた。

 ホワイトは、ウェスタンケンタッキー大で大型、強肩、クイックリリースのQBとして、一部では有望視された存在だった。しかし、運悪く、ベイカー・メイフィールド(ブラウンズ)、ジョシュ・アレン(ビルズ)、ラマー・ジャクソン(レイブンズ)ら、QBが1巡で5人指名された2018年ドラフトでの入団だったため、ほとんど注目を集められなかった。

 この日はプライムタイムゲームでの先発、ようやく日の目を見たと思ったらすぐに医務室送りに。ついていないというほかはない。
◇コルツ-ジェッツ◆ゲーム序盤で利き腕を痛め、試合から退いたジェッツQBホワイト=photo by Getty Images

 忘れられたQBという点では、ホワイトを遥かに上回るのが、その後ジェッツオフェンスを率いた、プロ14年目のジョシュ・ジョンソンだ。サンディエゴ大4年時には、43TDでわずか1INTという驚異的なパス成績を残し、2008年にバッカニアーズに入団。しかし、先発の座を奪うには至らず、その後チームを転々とした。NFLだけでなく、新興リーグのUFLやAAF、XFLのチームにも在籍した。

 オフシーズンロースターやプラクティススクワッドを含めると、今季移籍したジェッツが、延べ20チーム目。「ミスタージャーニーマン(旅人)」ともいうべき存在がジョンソンだった。

 NFLでは、2018年ワシントンで3試合先発した以外は、過去10年、QBとしてプレーをしていないが、昨年途中で打ち切りとなったXFLワイルドキャッツでは、4試合でパス11TD、2INTを記録した。この試合では、パス334ヤード3TD。大量リードを追いかける展開なので割り引く必要はあるが、能力は衰えていなかった。

 鳴り物入りで入団したウィルソンは、対戦相手の厳しいプレッシャーにさらされて、6試合で4TD、9INT。ホワイトとジョンソンは、キャッチアップオフェンスが大半とはいえ、2人合わせて、2試合半で8TD、5INT。もちろん、単純な比較はできない。フットボールは難しいというほかはない。
◇コルツ-ジェッツ◆第4Q、ジェッツQBジョンソンのパスをインターセプトするコルツLBオケレケphoto by Getty Images

今季も遠ざかる夢

 コルツ対ジェッツは、第3回スーパーボウル(1969年1月)のカードだ。それまでNFL-AFL王座決定戦として開催されていたが、第3回大会からこの呼び名となり、第1回、第2回も遡上してスーパーボウルと呼ばれるようになった。

 名将ドン・シューラが率い圧倒的有利を予想されていたコルツに対し、ジェッツのQBジョー・ネイマスが3日前の記者会見で「我々が勝つ。私が保証する」と発言する。そしてその通りとなった。伝説のゲームとなったあの日以来、ジェッツはスーパーボウルに出場していない。

53年目の今季も、これで2勝6敗となり、夢は遠ざかりつつある。ジェッツのスーパーボウル勝利を保証するQBは、今、どこで何をしているのだろうか。いつ現れるのだろうか。
◇コルツ-ジェッツ◆コルツファンと口論するジェッツファン。チームの勝利を信じていても・・・=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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