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2021-11-10

【NFL】17試合制の折り返し点 スーパーボウル“再戦”が5試合あった、第9週のまとめ

パッカーズQBロジャースが、ワクチン接種を受けていなかったことを皮肉って「免疫された=罰則適用された」というボードを掲げるファン=photo by Getty Images

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米プロフットボール・NFLは第9週を終え、16チームが9試合、16チームが8試合を消化。今季からレギュラーシーズンが17試合となり、レギュラーシーズンを折り返した。ここからがプレーオフに向けた生き残りの戦いとなる。NFCでは、カーディナルスが1敗を守ったが、ラムズとカウボーイズが敗れて2敗となった。AFCでは好調だったビルズがジャガーズにアップセットされて3敗となった。また、第9週は、サーズデーナイトのコルツージェッツ戦を含めて5試合が過去のスーパーボウルと同じカードだった。ワシントン、バッカニアーズ、ライオンズ、シーホークスの4チームはバイウィークだった。

 サーズデーナイト、マンデーナイトの2試合を除いた12試合を振り返る。(写真はすべてGetty Images)

勝利も、オフェンスの苦戦続くチーフス

◇チーフス13 vs パッカーズ7◆
 第1回スーパーボウルのカード。チーフスオフェンスの苦戦が続いている。最初のドライブではファーストダウンを6回更新し、TDに結びつけたが、それ以降はファーストダウン8回、2本のFGしか奪えなかった。オフェンストータル237ヤードは2017年第12週以来(QBはアレックス・スミス)の低い数字となった。マホームズはパス20/37で166ヤード、1TD。26ヤード以上のパスは1度も決まらなかった。それでも勝ち切ることができたのは、ターンオーバーが無かったから。そしてパッカーズのQBがアーロン・ロジャースではなく、NFL初先発のジョーダン・ラブだったからだ。
 ラブはチーフスディフェンスのブリッツに苦しみ、3rdダウンコンバージョンは2/12だった。第4Qに1TDを返すにとどまった。チーフスは19回のブリッツで8QBプレッシャーと1サックを記録した。
チーフスは今季NFCのチームには4戦全勝(AFC相手には1勝4敗)。アンディ・リードヘッドコーチ(HC)は、パッカーズのカーリー・ランボー元HCに並ぶ歴代5位の226勝となった。
◇チーフス13 vs パッカーズ7◆勝利したものの、不振が続くチーフスのQBマホームズ=photo by Getty Images

◇ペイトリオッツ24 vs パンサーズ6◆
 第38回スーパーボウルの顔合わせ。エースRBクリスチャン・マキャフリーが復帰したパンサーズだが、QBサム・ダーノルドが3INTと絶不調、ペイトリオッツに完敗した。ペイトリオッツのルーキーQBマック・ジョーンズは、パスは139ヤード1TD1INTと平凡な成績だったが、チームは1勝3敗スタートの後、4勝1敗と調子を上げてきた。ただ、ジョーンズは、第2QにパンサーズのDEブライアン・バーンズの足首を故意にひねったのではないかと疑義を呼ぶプレーがあり、試合後に釈明をしている。

◇ジャガーズ9 vs ビルズ6◆
 ジャガーズがアップセット。1試合平均32.7得点の強力ビルズオフェンスをわずか6点に封じ込めた。Kマシュー・ライトが最長55ヤードを含む3本のFGを決めた。ビルズQBジョシュ・アレンは、0TDで2インターセプト。2インターセプト以上の試合では1勝9敗となった。試合の中で、ジャガーズDEジョシュ・アレンがビルズQBアレンをサックした。NFLによるとサックを決めた選手と、されたQBが同姓同名というのは史上初。対戦チームのディフェンスとオフェンスに同姓同名の選手がいるのは4例目だが、いずれもディフェンス側が勝利しているという。
◇ジャガーズ9 vs ビルズ6◆サックされるビルズのQBアレン=photo by Getty Images

◇レイブンズ34 vs バイキングス31◆
 両チームが点の取り合い。第4Q残り1分3秒で、バイキングスがQBカーク・カズンズがこの日3本目のTDパスを決めて同点とし、オーバータイムにもつれ込んだが、レイブンズはKジャスティン・タッカーの36ヤードFGで勝利した。レイブンズはNFCのチーム相手に12連勝。
レイブンズのQBラマー・ジャクソンはパス266ヤード3TD、ラン120ヤードと大車輪の活躍。QBとしてラン100ヤード以上は10試合目で、マイケル・ヴィック(元ファルコンズなど)に並んだ。しかし、インターセプトも2本。複数インターセプトは今季4試合目となった。レイブンズはジャクソンの入団以来3シーズン半で22試合目のチームラン200ヤード以上となった。

ミラー抜けたブロンコスディフェンスが奮起

◇ブロンコス30 vs カウボーイズ16◆
 第12回スーパーボウルと同じカードは、ブロンコスが対カウボーイズ戦7連勝。OLBボン・ミラーがトレードで抜けた後のブロンコスディフェンスは、猛然とカウボーイズに襲い掛かった。ミラーの後を埋めたルーキーのジョナソン・クーパーは、2サックと5QBプレッシャーで、存在感を示した。QBダック・プレスコットは、前半パス5/14、75ヤードに抑えられた。
オフェンスは、第1QにRBメルビン・ゴードンのTDランで先制すると、その後も着々と得点を重ね、第4Qには30-0とした。ダブルRBのジャボンテ・ウィリアムズが17回112ヤード、ゴードンが21回80ヤードと、カウボーイズディフェンスを蹂躙した。カウボーイズは、試合時間が残り5分を切ってから、プレスコットのパスで2TDを返したが、勝敗には影響しなかった。
◇ブロンコス30 vs カウボーイズ16◆ブロンコスRBゴードンが突進。もう一人のRBウィリアムズと2人でラン192ヤードを記録した=photo by Getty Images

◇ドルフィンズ17 vs テキサンズ9◆
1勝7敗同士の対戦は、両チーム合わせて9回のターンオーバーという試合に。QBトゥア・タゴバイロアが負傷欠場し、ジャコビー・ブリセットが4試合目の先発となったドルフィンズが2勝目、テキサンズは8連敗となった。テキサンズQBタイロッド・テイラーは久しぶりのゲームだったが、3インターセプトと精彩を欠いた。

◇ファルコンズ27 vs セインツ25◆
第4Q残り10分で、ファルコンズが24-3と一方的な展開。しかし、ここからセインツが猛反撃。3TDに加え、RBアルビン・カマラのランによる2ポイントコンバージョンで、残り1分1秒で逆転した。1点差を追うファルコンズは、WR/RBのトゥイナーとしてはカマラに匹敵するコーダレル・パターソンが64ヤードのパスをキャッチして、FGレンジへ。QBマット・ライアンがボールイートして時間を消費した後、残り3秒で、Kクー・ヨンフェが逆転FGを決めて決着をつけた。

◇カーディナルス31 vs 49ers17◆
カーディナルスが快勝し1敗を堅持した。今季スティーラーズから移籍のRBジェームズ・コナーが絶好調、ランで96ヤード2TD、パスキャッチでも77ヤード1TDを記録した。カーディナルスは、今季、アウェーゲームでオフェンスが好調、5試合でいずれも30点以上を獲得している。
◇カーディナルス31 vs 49ers17◆ カーディナルスRBコナーが絶好調、ランで96ヤード2TD、パスキャッチでも77ヤード1TDを記録した=photo by Getty Images

タイタンズのディフェンス、QBスタフォードを圧倒

◇タイタンズ28 vs ラムズ16◆
 第34回スーパーボウルのカード。タイタンズはRBデリック・ヘンリーの負傷長期欠場、ラムズはOLBボン・ミラーの加入と、大きな話題を呼んだ両チーム。7勝1敗で、NFCトップタイのラムズと、6勝2敗でAFCの先頭を走るタイタンズの対戦はタイタンズがディフェンス力でラムズをオーバーパワーした。
 タイタンズは、DEジェフリー・シモンズが前半だけで3QBサック。リズムを崩したラムズQBスタフォードは、第2QにFSケビン・バイアードにインターセプトリターンTDを喫した。
 21-3で折り返したタイタンズ。後半には、負傷したヘンリーの代役として契約したエイドリアン・ピーターソンがTDを挙げるなど最後まで主導権を離さなかった。
 スタフォードは5回サックされ、2インターセプト。今季最悪のパフォーマンスとなってしまった。
◇タイタンズ28 vs ラムズ16◆ タイタンズDEシモンズが前半だけで3QBサック。ラムズQBスタフォードは完全にリズムを狂わされた=photo by Getty Images
◇ジャイアンツ23 vs レイダース16◆
ジャイアンツは、Kグレアム・ガノが第4Qに2本のFGを決めてリードを広げ逃げ切った。 レイダースは後半に3回のターンオーバーを喫するなどピリッとせず。バイウィーク明けのゲームは、2017年以降5連敗となった。

◇ブラウンズ41 vs ベンガルズ16◆
WRオデル・ベッカム・ジュニアの放出騒動で揺れるブラウンズだが、宿敵のベンガルズに完勝した。 ベンガルズは、ファーストダウン25回と、ブラウンズを11回も上回りながら、拙攻で得点できず。特に前半に2度のターンオーバーと4thダウンギャンブル失敗、ブラウンズがその都度得点して、リードを広げた。メイフィールドは、デビューから3シーズン半で27勝。ブラウンズのQB としては2番目の勝利数という。

◇チャージャーズ27 vs イーグルス24◆
共に2年目の若いQBの対戦となった。イーグルスは第4Qにジェイレン・ハーツのTDパスで同点としたが、チャージャーズが直後のオフェンスで、17プレーで7分を使うロングドライブ。最後はKディアンドレ・ホプキンスがFGを決めて勝ち切った。チャージャーズのQBジャスティン・ハーバートはパス356ヤード2TD、ラン14ヤード1TD。デビュー2年でパス300ヤード2TD&ラン1TD以上のパフォーマンスが5試合目となったが、1950年以降のNFLではハーバートだけという。

【小座野容斉】

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