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2021-11-11

【全日本大学駅伝】青山学院大に待望のエース誕生。進化し続ける近藤幸太郎

全日本7区で区間歴代3位の50分54秒をマークし、区間2位で駆け抜けた近藤。区間賞の田澤に続き、日本人選手2人目の51分切りを果たした

自重の裏に先輩のアドバイスあり

優勝した駒澤大に、わずか「8秒」届かなかったものの、青山学院大にとっては待望のエース誕生である。

全日本大学駅伝、7区を走った近藤幸太郎(3年)は、駒澤大のエース・田澤廉(3年)に食らいついた。

アンカーと予想していた田澤が7区に回ったと知って、近藤は「えっ、マジか!?」と思ったそうだが、よりによって同タイムでタスキをもらうことになった。

優勝を狙うとなると、田澤の背中を見ることになるのは避けたい。しかし、実力差は認めなければならない。走り始めてから、近藤は判断を迫られる局面を迎える。

「まあ、最初はついていきますよね。でも、走っていたら、『あ、やっぱり速いや』と思って(笑)。そこで自重することにしたんです」

田澤との力関係だけではなく、その判断の背景には、「先輩」のアドバイスがあった。

先輩とは、昨季のキャプテン、神林勇太である。

「走る前に、去年同じ7区を走った神林さんにアドバイスをもらったんです。神林さんからは、『去年、後半にペースが上がらない選手が多かったから、前半は落ちついて入った方がいいよ』と言われていて、それが頭にあって、無理につくことはせずに、自ら退きました」

学生トップレベルの力を証明

これは結果的に、スマートな動きになった。いったんは100mほど離されたものの、一時は詰まったように感じた瞬間もあった。近藤は全力を振り絞り、田澤の背中が見える範囲でタスキをつないだ。

近藤の記録は50分54秒。田澤の記録に遅れること18秒だったが、昨年、神林がマークした51分17秒を上回った。

「タイムとしては、神林さんの記録を超えたかったので素直にうれしいですね。でも、僕がもう少しいい形でアンカーの飯田さん(貴之・4年)につないでいたら、優勝できたのかもしれないので、それは反省点ですけど」

青学サイドにとっては、さまざまな思いが交錯するレースになったが、原晋監督は全日本の収穫として近藤のレースをたたえた。

「今日のレースで、近藤は学生長距離界でもトップレベルの力を持っていることを証明できたと思います」

監督がそう言ってましたよ、と近藤に伝えると、

「本当ですか? 去年、全日本では失敗しているので(2区区間13位)、ようやく借りを返せた感じです」

と顔をほころばせた。

さて、青山学院大の新エースは1月2日、どの区間を走ることになるのだろうか?

文/生島 淳 写真/中野英聡

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