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2021-11-26

【しゅりんぷ池田のカード春秋】西本幸雄監督の下、初優勝

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オリックス25年ぶりの優勝に思う

 今季のオリックスの優勝が25年ぶりということで万感胸に迫るものがあります。1995、96年にチームを連覇に導いた仰木彬監督が退任した翌2002年から3年連続で最下位に転落すると、同年からの20年間で12人の監督が交代するという大低迷期に入ります。私も長くプロ野球を見てきましたが、これほど長く深刻な暗黒時代は記憶にありません。

 しかし、歴史を振り返ると、この球団は初優勝までかなり時間を要したのです。球団創立は36年と巨人、阪神、中日に次ぐ伝統球団ながら、初優勝は32年目の67年と日本のプロ野球の球団ではもっとも遅かったのです。

 オリックスの前身である阪急を初優勝に導いたのは、「悲運の名将」と呼ばれた西本幸雄監督でしたが、同監督もすんなりと優勝したわけではありません。63年の着任から6、2、4、5位という順位で、現在の感覚ならとてもずっと続投できる成績ではありません。さらに、同監督は66年秋に選手に信任を問う挙に出て少数の不信任があったことから辞意を表明するのですが、オーナーに説得されて翻意し、翌67年に初優勝を果たすのです。なんともドラマチックな展開。当時の小林米三オーナーも、よく辛抱したなと感心してしまいます。

 翻って、現在の宮内義彦オーナーの心中はいかばかりか。長い低迷が続きながら経営意欲が失せるようなことはなかったのでしょうか。旧・阪急が初優勝以降黄金時代を迎えたようにオリックスも良い時代を築けるでしょうか。中嶋聡監督の手腕に期待しております。
(週刊ベースボール2021年11月29日号 掲載記事再編)


2021BBMベースボールカード オリックス・バファローズヒストリー1936-2021 No.03 西本幸雄監督の下、初優勝

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