フランチャイズプレーヤーの人気
ベースボール・マガジン社がカードを発行開始したのが1991年からということで、2020年が30年目となり、それを記念したカードが発売されました。この30年で日本球界に起こった大きな出来事としては、93年オフにFA制度が導入されたことが挙げられます。
30周年カードのレギュラーカードでは、OB108名と現役選手108名(12球団×9選手)の合計216名がカード化されているのですが、実に49名がFA移籍しています。ポスティングシステムを利用してMLBへと転じた10名と併せると4人に1人以上の割合です。
このOB108名はこの30年間に優秀な成績を残した選手であり、現役108名も現在のチームの主力選手ですから、ある程度実績のある選手216名の中での割合がこれなのです。優れた成績を残した実力派選手こそが利用できるFA制度ですが、そうしたスター選手がどんどんチームを変わることに複雑な心境を抱えるファンもいる一方で、新たな環境下でのプレーに新鮮な刺激を感じるファンの方もいると思います。
カード的に言うと、今回の金本知憲のレギュラーカードは阪神時代の写真で、インサートカードは広島時代の写真とバリエーションを楽しめます。しかし、こんな状況下だからこそ、今回掲載している坂本勇人のような、その球団ひと筋でプレーする昔ながらのフランチャイズプレーヤーの人気は高まるのかもしれません。
ちなみに、このカードは初年度のデザインを流用したレギュラーカードのシークレット版となっており、通常のカードよりも出現率が低く設定されているそうです。
(週刊ベースボール2020年9月7日号 掲載記事再編)
BBMベースボールカード 30th Anniversary No.113 坂本勇人(巨)シークレット版