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2021-11-22

【ボクシング】勅使河原、IBF挑戦者決定戦へ「倒して勝ちます」

ついに決まった世界進出のチャンス。勅使河原は「倒して勝つ」と宣言した

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東洋太平洋スーパーバンタム級チャンピオンでIBF 世界同級3位の勅使河原弘晶(31歳=三迫)は12月11日(日本時間12日)、アメリカ・カリフォルニア州カーソンで同級4位マーロン・タパレス(29歳=フィリピン)とIBF 挑戦者決定戦12回戦を行うことが決まった。同日のメインはノニト・ドネア対レイマート・ガバリョ(ともにフィリピン)のWBC世界バンタム級戦。

 22日、三迫ジムで行われた発表会見。勅使河原は「いつ決まってもいいように準備してきた。倒して勝ちます」と、待望のカード決定に笑顔を見せた。三迫貴志会長によれば、最初にIBFからタパレス戦を指令されたのは8月。その後、コロナ禍のため交渉は難航したが、ドネアの初防衛戦と同じ興行に入ることで話がまとまった。

 昨年11月から1年リングを遠ざかっている勅使河原だが、この期間に加藤健太トレーナーと基礎からボクシングを立て直し、充実していたと振り返る。「待っている感覚はなく、一日一日に集中してトレーニングできた。手首の角度とか重心、パンチの打ち方、足の使い方など、全部切り替えた。自己流でやっていたころと比べたら、別人だと思う」。そのボクシングへの打ち込み方と成長には、三迫会長も驚きを隠さない。

 タパレスは元WBO世界バンタム級チャンピオン。来日して大森将平(ウォズ)を2度にわたりストップ、2019年12月にはニューヨークで岩佐亮佑(セレス)とIBF世界スーパーバンタム級暫定王座を争い11回TKO負けと、日本との関わりも深い強打のサウスポーだ。勅使河原は「いい選手だが、負ける気はしない。まだ映像はそんなに見ていないが、タパレスがどうのというより、自分のボクシングをすること。加藤さんが教えてくれるボクシングをすれば大丈夫」と、戦略についても加藤トレーナーに全幅の信頼を置いている。加藤トレーナーは「前半から流れを持っていかれないように、しっかり削っていきたい」とした。

 10年前のデビュー以来、26戦を後楽園ホールで行ってきた勅使河原。「ホールの人気者と言われるのはうれしいが、大きいところに出たい気持ちもあった。日本のサムライをアピールするチャンス」と、アメリカ初登場を楽しみにしている。これまでファンを沸かせてきた派手な入場パフォーマンスも「アメリカ仕様で、壮大にします」と、こちらでも「魅せる」ことを約束した。当日メインを務めるドネアのことも好きだと言い、「何て話しかけるかイメージしています」。フィリピンのスターたちが集う完全アウェーの戦場にも、臆する様子はまったくない。

文/藤木邦昭 写真/本間 暁

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