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2021-11-23

【相撲編集部が選ぶ九州場所10日目の一番】貴景勝、明生に敗れ初黒星を喫す

明生の突っ張りに防戦に回った貴景勝が叩くも、足が先に飛び出し痛い黒星を喫した

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明生(押し出し)貴景勝

九州場所の優勝争いは横綱照ノ富士と大関貴景勝のマッチレースの様相。照ノ富士との直接対決までピタリついていきたい貴景勝は、関脇の明生と顔が合った。

鹿児島県奄美大島出身の明生は2年ぶりの九州場所に「九州のファンのためにいい相撲を取りたい」と気合を入れて臨んでいる。

立ち合い、頭で当たった両者。当たりは互角だったが、ここから攻めていくのは貴景勝。下から突き上げて前進すると、明生は叩いて右に回り込んでしのぐ。体勢を入れ替えた明生が猛然と突っ張ると貴景勝は防戦に回って後退。頭を押さえて叩くが、先に土俵を飛び出し初黒星を喫した。

殊勲の星を挙げた明生は、「我慢して頭を上げないようにと思って土俵に上がりました。必死でした」と振り返った。大関の圧力に引く場面もあったが、回り込みながら大関がやや泳いだので、すぐ逆襲に転じることができた。

明生はこれで5勝5敗の五分に星を戻した。今年の5場所、幕内ですべて勝ち越している力士が3人いるが、明生はその1人。ほかの2人は照ノ富士と御嶽海で、すでに年6場所の勝ち越しを決めている。

勝ち越しの目が出てきた明生は、「自分の相撲をしっかり取っていきたい。自分の相撲を信じて土俵に上がりたいと思います」と、残り5番で3勝を目指す。

1敗となった貴景勝は、「勝たなきゃいけないので、よくなかった。また明日、しっかり準備するだけです」と言葉少なに会場をあとにした。

結びの照ノ富士は豊昇龍をガッチリつかまえて、極め出しで全勝を守った。順番どおりなら、14日目に照ノ富士と貴景勝の一番が組まれるが、1差のままなら千秋楽に当たるかもしれない。そのためにも貴景勝はもう1つも落とせない。

文=山口亜土

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