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2022-01-05

前田日明ら6選手による新生UWFが旗揚げを発表「アントニオ猪木やジャイアント馬場のできない部分を追求したい」【週刊プロレス】

会見に出席した前田日明ら

 1988年4月8日、赤坂東急ホテル14階「グリルゴンドラ」における会見で新生UWFが旗揚げを発表した。

 所属選手は前田日明、高田延彦、山崎一夫、安生洋二、宮戸成夫、中野龍雄の6人。全員が20代である。

 旗揚げ戦は5月12日、東京・後楽園ホール。大会名は「STARTING OVER」。6月11日の北海道・札幌中島体育センター大会も発表された。代表取締役は神真慈(当時/のちの神新二)氏。

 基本的に月1回、東京、札幌、大阪、福岡などの大都市を中心にプロフェッショナル・レスリングの興行をおこなっていく。さらに年2~3回、収容人員1~2万人の大会場で格闘技イベントの開催も予定。当時のプロレス団体としては革命といっていい方向性だ。

 前田は会見でこんな所信表明をおこなった。

「なぜ新生UWFをやることになったかといいますと、去年の事件(長州力顔面蹴撃事件)などもきっかけになったことはなったのですが、やはり前々からの、それこそ最初に新日本(プロレス)に入った時の道場の雰囲気というのが自分の中にありまして…。

 ホントにプロレスの市民権を得るための努力や、ほかの格闘技者が見ても納得できるようなものをリングでやりたい。そうこうするうちに、旧UWFで、そういうことが現実のものとして可能性があると認識するに至りまして、機会があればと、ずっと思っておりました。

 今回、いろんな方の力によりまして、やっとここまでこぎつけました。長年、仲間の間で温めてきましたことを実際の場で展開することによって、プロレス界のイメージや、興行会社のあり方とか、選手育成の問題とかを一番、理想的な形で、経営の上に則った方法で追求していきたいと思います。微力ながら、これからもがんばります」

 前田は「既存のプロレス団体との交流は?」という記者団の質問に対して「自分たちの主旨が現在のプロレス界を否定するとかではなく、アントニオ猪木選手やジャイアント馬場選手のできない部分でのプロレスの可能性を追求していきたいというのが本分であります。何十年後かにはあるかもしれませんが、ないといえばないかもしれません」と答えた。1988年4月8日に旗揚げが発表された新生UWFはのちに業界に一石を投じることになる。

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