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2021-12-23

【ボクシング】「戦い続ける姿を見せたい」。大みそか世界戦に向けて井岡一翔が公開練習

「これまでの準備と積んできた経験で大みそかは戦ってみせます」。井岡の言葉には大きな自信が含有されていた

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 12月31日(東京・大田区総合体育館)に4度目の防衛戦を控えるWBO世界スーパーフライ級チャンピオン、井岡一翔(志成)は23日、志成ジムでの練習をオンラインで公開した。練習に先立つ記者との応答では、挑戦者、福永亮次(角海老宝石)の「試合に対する強い思いを感じている」と語りながらも、「戦い続ける自分の姿を見せたい」と自信の奥行きをのぞかせた。

 2011年以来、10度目の大みそかのリング登場となる井岡は、そのなかで印象に残る一戦はと問われ、2018年、ドニー・ニエテス(フィリピン)に敗れた一戦をあえて選んだ。「負けて、新年を迎えて、周囲の景色は変わっても、何も感じないというか。ただ、時間だけが経っていったという感じでした」

 もちろん、今度の一戦でそういう思いはしたくない。さらに、今回は戦前から、大きな喪失感も想像される戦いにもなる。当初、予定されていたIBFチャンピオン、ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との戦いは、新型コロナウイルスの変異種オミクロン株への対策から流れてしまった。念願の統一戦から福永を相手とする通常の防衛戦になってしまっでも、日本ボクシング界の大トリをつとめ続ける重い責任感を言葉のふちに添えた。

「(アンカハスとの対戦が)中止になり、一転して決まった試合です。相手がどうこうというより、自分が気を引き締めないといけないと思っています」と言いながら、「(福永の)経歴やキャリアはあまり考えていません。いい選手だし、強い選手だと思っています。しっかりと警戒して戦いたい」とも付け加えた。ただ、これに続いた言葉には、自信の在りかを強調してもいる。「これまで準備してきたもの、今までの経験を活かして戦いたいですね」

 福永は身長168センチのサウスポー。体格とファイティングスタイルに関してはアンカハスとまったく同じ。あるいは仮想アンカハスとの対戦と想定してみれば、その内容も含めて、井岡にとってきわめて大事な戦いにもなる。

「体重はリミットまであと4キロ弱。試合に向けて着々と調子が上がっています」

 ストレッチと軽めのシャドーボクシングだけが映像に映し出されて公開練習は終了したが、会見での井岡の戦うことへの強い決意だけは確認できた。

文◎宮崎正博 写真◎志成ジム提供

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