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2022-01-02

タイガー・ジェット・シンの人生訓「みんなのためにカネを使って、周りがハッピーになってくれればいい」【週刊プロレス】

タイガー・ジェット・シン

 地元カナダ・ミルトンでのタイガー・ジェット・シンは、チャリティー活動にも積極的に取り組んでいる。それも子供たちを対象にしたもの。病院や小学校、施設などに定期的に寄付をしてきた。個人にとどまらず、慈善団体「タイガー・ファウンデーション」を設立して活動を拡大。ガンで闘病する子供を支援するために売り上げの一部が寄付されるミネラルウォーターの販売を手掛けただけでなく、学校に搬入されるルートを獲得。それによって安定した収入、支援が確保されるわけで、シンはそれだけのものを動かせる力を持っているわけだ。
※週刊プロレス2010年5月19日号(No.1524)&2011年3月9日号(No.1567)掲載


「タイガー・ファウンデーション」では活動を喧伝する目的もあって、カナダデーの祝日に合わせてチャリティー・プロレス大会も開催(2010年~2014年。2010年には海外遠征中の征矢学が、2011年には同じくKIYOSHI=雷陣明、SUSHIが参加している)。それも体育館や施設を借りてではなく、大勢の目に触れるべくミルトン市のメインストリートの交通をストップさせてリングを設置してもの。その会場となるのは、シンのビジネスパートナーでもあるトロイ・ニュートン氏が経営するレストランの正面というから驚きだ。ちなみに同店内には、シン親子の足跡を伝えるべく写真やベルトが展示されている。また、シンが考案し、“タイガー”を冠したサンドイッチやシェイクなどのメニューも提供されている。

 チャリティー大会だけに観戦無料。経費として多額の出費もやむなしと考えていると思いきや、「私の活動に賛同して、多くの有名企業が協賛に名乗りをあげてくれた。経費はそれでまかなえる」だけでなく、当日販売されるTシャツなどのぐグッズの売り上げも全額寄付するという。

「私はカネのために働く必要はない。ビジネスに関しては、ジュニア(タイガー・アリ・シン)がすべてやってくれる。ただ電話やメールの対応に追われて忙しく、朝食もランチもゆっくり取れないのは申し訳ないと思っている。だけどインドから渡ってきて、私一人の力でここまでこれたとは思っていない。多くのサポートがあったからこそ。今はもうカネのために働かなくてもいいから、ストレスも感じない。グッドコンディションをキープできるのも、この生活を与えてくれたみんなのおかげだ。だから私は、この幸せは自分だけのものにしてはいけない。逆にみんなのためにカネを使って、それで周りがハッピーになってくれればいい」

 これが一代で財を成し遂げたシンの人生哲学である。 そのシンがこだわったことが一つある。それがメディアの扱い。シンが日本で成功したのは、各メディアをそれぞれの特徴を使い分けて活用してきたから。特に新聞・雑誌の紙媒体を重視してきた。

 IT網の発達で業績が落ちている出版業だが、テレビやインターネットと異なり何面で扱われているか、どれだけのスペースが割かれているかなど、一目で扱いがわかるのが大きな特徴。記者やカメラマンを襲ったのも、伝える側が恐怖を感じてこそ読者にもそれが伝わると考えてのこと。写真ひとつしても、そういう意識を植えつけておけば、怖さが伝わるショットを選ぶはずというわけだ。

 シンの徹底したこだわりからは、現在の日本が忘れてしまった大切なことを教えられてる気がしてならない。

橋爪哲也

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