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2021-12-24

「相手が誰であろうと、リング上は誰の指図も受けない」タイガー・ジェット・シンが語る対レイザーラモンHG&RG【週刊プロレス】

タイガー・ジェット・シンvsHG

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 エンターテインメント路線を打ち出す「ハッスル」のリングに上がったタイガー・ジェット・シン。アントニオ猪木を相手にしたときほどの狂乱ファイトは披露しなかったものの、リング上の闘いぶりは変わらなかった。新興団体だった「ハッスル」だがシン自身、過去に経験したことないほどの扱いを受けていたという。それまでの“禁”を破ってまで、シンを動かしたものとは…。
※週刊プロレス2007年6月20日号(No.1372)掲載。
    
――あなたが満足するリスペクトの表現をしてきた一方で、コメディアン(RG、HG)との対戦をマッチメークしてきましたが……。

シン エアポートでのプレスカンファレンス(記者会見)で言った通りだ。「コメディアンは嫌いだ」と。だけど、これまで100回以上日本に行ったが、あんなに大勢のプレスが集まっていたことはなかった。ハルク・ホーガンでもリック・フレアーでもあんなことはなかっただろう。それにこれまではオフィスのバスで迎えに来ていたが、「ハッスル」では何台ものリムジンが用意されていた。こんなことは初めて。私へのリスペクトの表れだ。だからコメディアンとの闘いも了承した。

――以前のあなたからは信じられません。

シン 一番大切なことを忘れてもらっちゃ困る。相手が誰であろうと、リング上のことに関しては誰の指図も受けない。相手が誰であろうと、私の闘い方は変わらない。それは最初にオファーがあった時に「ハッスル」オフィスに伝えた。それを了解したからこそ、日本に呼んだわけだろ? そのコメディアンがどうなろうと、私の知ったことじゃない。「ハッスル」はタイガー・ジェット・シンを必要としたからオファーしてきたのだろ? それなら変わる必要はない。

――前回の来日ではサイン会も開催されました。

シン それも、私をリスペクトする姿勢が伝わってきたから協力した。それにしても多くのファンが集まってきたのには驚いた。みんなマナーを守っており、そこからファンの私に対するリスペクトも感じた。

――本当はサイン会などおこないたくなかったのでは?

シン 「ハッスル」が新しいことにチャレンジしようとしている姿勢は伝わってきた。前回の大阪(2007年4・21)も、前々回の名古屋(同年3・18)も超満員だった。今、日本であれだけの客を集められる団体がほかにあるか? それは「ハッスル」が求めているものを、ファンが支持している表れでもある。「ハッスル」はまだ新しい団体だ。私は彼らが成長していこうとするのに協力しているのだ。「ハッスル」のスタッフはいろんなアイデアを持っている。私もチャレンジすることが大切だと思っているし、彼らも新しいプロレスにチャレンジしている。そこで私の力を必要としているから協力しているのだ。

――次回来日となる6・14後楽園ではマーク・コールマンとのタッグ対決が決まりました。

シン コールマン? 知らんな。

――総合格闘技(UFC、PRIDE)の元チャンピオンです。

シン 誰が相手だろうと、タイガー・ジェット・シンの闘いは変わらない。私のパートナーは誰だ?

――アン・ジョー之助(安生洋二の変身)です。

シン 彼か……。ウエダさんをまねたレスラーをパートナーに用意したというのは、それだけ私とウエダさんのコンビが強く印象に残っているのだろう。ウエダさんとは今でも心と心でつながっている。それが日本スタイルだし、アジアスタイル。友達はいつまでも友達だ。ウエダさんとの関係は、アメリカ人のように自分に必要な時だけ「トモダチ」と言って近づいてきて、必要なくなったら離れていくのとは違う。私と話すと彼はハッピーになる。泣くときもある。私にとっても彼とタッグを組んでいたのは素晴らしい思い出だ。私がウエダさんをまねたレスラーと組むことで、みんなはウエダさんのことを忘れない。それはうれしいことだ。

橋爪哲也

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