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2021-12-28

「動くからいいやって思って試合を続けました」右肩負傷は昨年8月の拳王戦…ドキュメント潮崎豪復帰<1>【週刊プロレス】

 潮崎豪が1・1日本武道館で中嶋勝彦のGHCヘビー級王座に挑戦する。12・5名古屋で9カ月ぶりに復帰し、12・7後楽園では王者の中嶋勝彦からピンフォール勝ち。12・27後楽園では中嶋に直接敗れ「オマエが負けたら二度と『I AM NOAH』なんて言うな。オレがNOAHだ」と突きつけられた。

 NOAH1・1日本武道館が迫る中、潮崎はどんな思いでGHCヘビー級王座挑戦までたどり着いたのか。昨年8月に右肩を負傷してから現在に至るまでの“物語”を知ってほしい。
※週刊プロレス2021年1月5&12日合併号掲載。

 右肩に強烈な違和感を最初に覚えたのは昨年8月10日、NOAHとして最後の横浜文化体育館大会だった。試合は自身のGHCヘビー級王座、拳王のGHCナショナル王座という2つのタイトルを懸けた2冠戦。25分過ぎ、ノータッチのプランチャを決めた後に右肩に激痛が走った。

「その時に亜脱きゅうしました。あとで検査してわかったんですけど、簡単に言えば、肩の関節を押さえるジン帯がはがれて、二頭筋とつながってるところがズレちゃったという感じです。あっ、これは肩をやっちゃったなって感覚はありましたね」

 相手の拳王に多大なダメージを与えていたが、潮崎自身も右肩を押さえて悶絶。果たして闘うことはできるのか。場外からリング上に戻って、負傷個所の状態をチェックしてみた。

「痛みがあって、力もあまり入らなかった。けど、動くからいいやって思って試合を続けました(笑)。もう動けないとかじゃなかったし、力も多少は入ったんで。今思えば、1回外れたなって感覚はありましたけど、リングに戻って動かしたら動いたので、そこではまったんだと思います」

 その一戦は最終的に60分フルタイムドローで決着。潮崎は右肩を亜脱きゅうしながらも、気力を振り絞って最後まで闘い抜き、拳王に勝つことはできなかったが、GHCヘビー級王座4度目の防衛には成功した。

 潮崎は右肩を負傷した後もしばらくは検査を受けずに闘い続けた。8月30日にはカルッツかわさきでGHCタッグ王座決定戦に臨んだが、杉浦貴&桜庭和志に敗北。その一戦後、パートナーの中嶋勝彦に裏切られて、タッグチーム“AXIZ”が消滅することになる。

 右肩の状態は日に日に悪くなる一方。試合にも影響が色濃く出るようになってきた。

「どうしても力が入らなかったり、ラリアットに行く時に自分の腕を相手の首に叩き込むタイミングが遅れるような感じがしたりしたので、ちょっと1回検査してみようかなって思って病院に行きました。それで検査したら、右上腕二頭筋腱脱きゅうでした。右肩が外れてズレて、そこに筋肉が入り込んでいたという状況でしたね」

 右肩はもはや闘えるような状態ではなかった。それでも痛み止めの薬を飲み、テーピングを巻いて、試合に臨んだ。当然、長期欠場して手術&リハビリも勧められたが、潮崎の中で闘い続けるという選択肢以外はなかった。
(つづく)
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