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2022-01-12

【BBMカードコラム】#2021-30「2021BBMベースボールカードFUSION」/46年前の記録を調べてみたら…

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BBMカードの編集担当が自ら手がけたアイテムに込めた思いをお伝えする連載企画。
今回は「2021BBMベースボールカードFUSION」についてです。



新人が5打席連続二塁打の新記録を樹立
 惜しくも新人王を逃した牧秀悟(DeNA)でしたが、8月にはルーキーとしては史上初のサイクルヒットをマークし、10月には従前の記録を塗り替える5打席連続二塁打と、80年を超える日本プロ野球で唯一無二の記録を2つも作ったのですから立派です。

「FUSION」では、その両方の記録がカード化されました。牧が更新するまで連続打席二塁打4という記録は18年の高橋周平(中日)、10年の糸井嘉男(日本ハム)、94年のイチロー(オリックス)らが持っていたのですが、調べたところ、同球団の大先輩で同じ二塁手でもあった基満男が79年に達成していたことから、同氏を併せてカード化することにしました。

No.92 牧 秀悟(De)
No.92 牧 秀悟(De)

No.93 基 満男(洋)
No.93 基 満男(洋)


 カードの原稿を書くべく、79年5月9日の大洋対阪神戦(横浜)を調べたところ、これが驚くべき試合だったのです。スコアはなんと21-0! しかも、これほどのワンサイドゲームだったにも関わらず、大洋の先発・平松政次は9イニングを投げ通し、完封していたのでした。

 これほどの試合なら当時の「週刊ベースボール」でも大きく扱われているだろうと思い、バックナンバーを当たったところ、当時の週報の1ページをまるまる使って報じられていました。

 基は1、2、3、4回と4イニング連続で二塁打を放ち、37年の門前真佐人(阪神)、51年の藤井勇(大洋)の記録に並びますが、続く5回の第5打席では惜しくも(?)中前打に終わり、記録は途切れます。この時点で28年ぶり3度目というなかなかの珍記録です。

 この記事の最後に同戦の記録がまとめられているので、それを再録しておきます。(記録は当時のもの)
①21点差は史上5番目の大差試合(最多は40年4月の阪急32-2南海)
②大洋の1試合20点以上は50年の大洋28-5中日、51年の大洋20-2広島に次ぐ3度目の記録
③1試合48塁打は41年のサンケイ戦の47塁打を上回る球団新記録。史上最多は48年の巨人の59塁打
④基の4打席連続二塁打は史上3人目。4イニング連続は史上初
⑤基4、福嶋久晃2、マーチン、ミヤーン、屋鋪要各1の1試合9本の二塁打は50年阪神、54巨人に次ぐ3度目のセ・リーグタイ記録(日本記録は48年巨人の11本)

 ここでは言及されていませんが、21-0で投手がシャットアウトというのは完封の最多得点試合では? と思って調べたところ、46年7月のグレートリング対ゴールドスター戦で別所毅彦(当時・昭)が26-0完封していたそうです。また、近年でも05年3月のロッテ対楽天戦で渡辺俊介が26-0で完封しており、この2例が完封試合の最多得点記録のようです。

 いやあ、記録の世界はなんとも奥深い。今季のプロ野球では、どんな記録が飛び出すでしょうか。楽しみです。(しゅりんぷ池田)

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