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2022-01-10

【相撲編集部が選ぶ初場所2日目の一番】正代、苦手の宇良を一蹴し連勝スタート

2連敗中の苦手・宇良を、圧力をかけた押し出しで降した正代

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正代(押し出し)宇良

初日は横綱、大関が安泰だったが、2日目に早くも貴景勝に土がついた。立ち合いから貴景勝が一気に前に出たが、土俵際で明生に突き落とされて不覚。もう1人の大関、正代は宇良と対戦が組まれた。

過去の成績は宇良の2戦2勝。平成29年に2回対戦し、送り出し、とったりで宇良が勝っている。と言っても、4年半前のことで、宇良が大ケガをする前、正代が大関に上がる前で、あまり参考にはならないか。

今場所の宇良は自己最高位の東2枚目で、上位総当たりとなる。初日は関脇御嶽海に完敗したが、上位陣にとっては嫌な存在だ。

立ち合い低く当たった宇良。下から押し上げるが、正代に左を差し込まれると、左を手繰って抱えた。正代は左を突き付けるようにして前に圧力をかけて土俵際に追い込み、そのまま押し出した。

後頭部を打った宇良はしばらく動けず、ようやく土俵に上がったが、足元がふらついており、呼出し2人に抱えられて土俵を降り、車イスで花道を下がっていった。明らかに脳震盪だったので、すぐに動かさない方がよかったのではないか。因みに土俵下にはウレタンのような薄いマットが敷かれており、硬いわけではない。

初日から連勝を決めた正代は、「苦手意識もあって、やりづらかった。立ち合いで足取りとか警戒しつつ、圧力をかけられた。自分のペースで押せたのでよかったかなと思う」と振り返ったが、「宇良は頭から落ちたと思うので心配です」と浮かない表情。

場所前のインタビューで、「今年は優勝したい」と語っていた正代。昨年は勝ち越すのがやっとの状況だっただけに、令和4年は大関としての存在感を見せたい。「去年1年は苦しかったので、今年は落ち着いて取れたらと思います」と気を引き締めていた。最後まで優勝争いに絡んでほしい。

敗れた宇良の状態が心配だが、意識ははっきりしていたので、大事には至らないのではないか。宇良には勝ち負けはともかく、面白い相撲を見せてもらいたい。

文=山口亜土

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