日本一のエンターテインメントを目指す大阪プロレス。それには何よりも知名度アップが必要不可欠だ。そのためにはプロレスの枠内だけに収まっていてはダメだと考える。ゼウス社長は、それだけの人材はそろっている、オンリーワンでありナンバーワンの団体だと胸を張った。
――ゼウス社長が大阪プロレスを離れていた間に、大阪プロレスの知名度は大きく下がってしまったと……。
ゼウス じゃあ、知名度を上げるためにはどうすればいいのか。やっぱりメディア、それもテレビとかでないとダメですね。僕とかタイガースマスク、えべっさんがもっともっとテレビに露出して有名人にならないと。人が集められるようにならないと。マスクマンってテレビに出たら目を引くと思うんです。今、テレビに出てるマスクマンっていますか? マスクマンのタレント、コメンテーターっていないでしょ。
テレビに出てるプロレスラーにしても、ちょっと前の蝶野正洋さんや佐々木健介さんで止まってる感じ。特に、ゴッツくていかついってなると。オカダ・カズチカさんにしても棚橋弘至さんにしても、すごいレスラーですけど、かっこよくてスマートでしょ。レスラーっぽくない。スマートでかっこいいって、芸能人でいくらでもいますよね。レスラーに求められものって何かってなると、そこじゃない。大阪プロレスはそことはちょっと違いますけど、いろいろなタイプのレスラーがいる。強そうなレスラーもいれば、面白そうなレスラーもいる。いろんな需要に応えられえるんじゃないかと。
だから企画を出してテレビにもどんどん売り込みたいと思ってます。ドキュメントで取り上げてもらってもいいですし。「情熱大陸」を狙おうかなって思ってます。実現すれば、「あの『情熱大陸』に出てた大阪プロレスちゃうん!?」「いっぺん見に行こ」ってなるでしょ。それぐらいにならないといかんなって思ってます。
――全日本プロレスを経験したからこそ感じたこともあるでしょ?
ゼウス 全日本プロレスってすごいですよ。でも、大阪プロレスも負けてないと思います。比べるもんじゃないですけどね。大阪プロレスってプロレスの枠内にはまってるけど、はみ出てると思ってます。大阪プロレス以外の団体はみんな、プロレスの枠内にはまってるんです。
だけど大阪プロレスだけは、枠内からはみ出た部分も持ってるんです。例えばブラックバファロー選手もみたいに、宴会の席などでちょっとしゃべってもらったりしますけど、あんなにしゃべれる選手は全日本にはいない。新日本にもいないと思います。その現場でチケットが20枚ぐらい売れるんですよ。僕らしかできない寸劇もありますし。それでこそエンターテイナー。テレビに出ても十分。僕らはオンリーワンであり、ナンバーワンです。
――確かにそれはほかのプロレス団体、特にメジャーといわれる団体であればあるほどない部分でしょうね。
ゼウス タイガースマスクさんなんて、全然知らない人の目の前まで行って「お疲れさまでした」「こんにちは」「ありがとうございます」って頭下げるんですよ。それをずっと続けてるんですから。そんなことできるレスラーなんていないですよ。
――まあ、素顔でそれをやったら変な目で見られるでしょうけど……。
ゼウス マスクかぶってるからできるんでしょうけど。でも、自己紹介するのに「来年はプロ野球選手になりたい」とか言えるんですから。そんな選手がいるんですから、この団体は日本一ですよ。大阪プロレスっていう団体ですけど、レスラー一人ひとりは個人事業主なんです。ブラックバファロー社長、タイガースマスク社長って。それぞれの個人事業主が大阪プロレスと契約してる。
プロレスができるっていうのはもちろんですけど、俺以外にもチケットを売ったり、後援会やスポンサーも獲得すれば、自分の収入が増える。さらに芸能的な活動していけば、もっともっと価値が高まっていく。一人ひとりがそういうふうになっていかないといけないって考えてます。
(つづく)