close

2022-02-14

【ボクシング】谷口、三代が今春の次戦に向けて千葉合宿

左端が寺中トレーナー。その右が谷口。三代(右から2人目)らとともに鍛える

全ての画像を見る
 WBO世界ミニマム級チャンピオン谷口将隆(28歳)、WBA&WBO世界ライト級13位・三代大訓(みしろ・ひろのり、27歳)らワタナベジム所属選手が12日から3日間の千葉・袖ヶ浦合宿。走り込みやフィジカルトレーニングに励み、今春に予定される次戦に備えた。

文_本間 暁 写真提供_ワタナベジム

 14日の午前練習で3日間の集中トレーニングを終え、オンライン会見に臨んだ谷口と三代の表情は実に清々しかった。数年前からジムでの合同トレーニングや、パーソナルで指導を受けている寺中靖幸トレーナー帯同のキャンプ。穏やかで笑顔の絶えない寺中さんだが、トレーニングの中身は強烈で、どの選手に訊いても「しんどい」と音を上げるもの。しかし、ボクシング界の信頼は厚く、ワタナベジム以外でも信奉者は多い。それだけ実りあり、成果を出しているということだ。

腿上げに励む谷口
腿上げに励む谷口

 昨年12月に2度目の挑戦を11回TKOで射止め、世界奪取を果たした谷口は、敏捷性を鍛えるアジリティトレーニングが「ハマった」と満足そうに語る。
「急に転回する、方向を変える、急にステップを切り替えるとか。自分がほしいスタイルに取り入れられる。(練習生らを含めた)5人で鬼ごっこをしたりした」(谷口)という。ゲームを取り入れて、楽しみながら鍛える。負荷をかけるものばかりでなく、こういったメニューも、合宿ならではだ。

敏捷性を鍛える三代
敏捷性を鍛える三代

 三代は「初日に300mを20本走ったんですが、走り方がよくなかったらしく、ふくらはぎにきた」という。大事には至らず、無事に“完走”を果たしたが、フォームの問題ならば、寺中トレーナーからの指摘を受けたはず。ただ走ればよいというものでなく、同じメニューでもフォームが正しくなければ、無駄になるというもの。逆に、“理に適った正しいフォーム”であれば、より効果を上げることができる。彼らが戦う舞台は、そういう繊細な勝負となってくる。

寺中トレーナーの掛け声によって、動きを変える
寺中トレーナーの掛け声によって、動きを変える

 三代にとって、大きな刺激となることがあった。アマチュア時代からのライバルで、同門で仲の良い宇津木秀(うつき・しゅう、27歳)がさる8日、日本ライト級チャンピオンに輝いたのだ。「宇津木本人とも話して、切磋琢磨し、片方が上がればもう一方も……という相乗効果がある。そうやって、刺激し合って上に上がっていきたい」。自身もスーパーフェザー級の東洋太平洋王座を返上して、“戦国ライト級”に参入してきた身。「特に誰と戦いたいというのはないけれど、世界ランカーと試合したい」。日本王座を返上し、2冠王者となった吉野修一郎(三迫)、元WBO世界スーパーフェザー級王者・伊藤雅雪(横浜光)ら、国内のトップも高いレベルでの争い。誰が抜けて、強豪揃いの世界へ打って出るか。2022年の国内ライト級も目が離せないクラスだ。

 三代は1月からすでにスパーリングを開始。谷口も東京に戻り次第、開始するという。ともに次戦は今春に行われる予定となっている。

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事