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2022-03-01

2つ目は虎ハンター誕生! 歴史的事件2つ同日勃発の1982年10・22広島大会…新日本プロレス歴史街道50年(21)【週刊プロレス】

1982年10月22日、広島大会でタイガーマスクにドロップキックを決めた小林邦昭

 1982年10月22日、新日本プロレス広島県立体育館では2つの歴史的事件が同日に起こった。1つ目は藤波辰巳(当時)vs長州力の“名勝負数え唄第1戦”。2つ目は“虎ハンター誕生”だ。

 混乱の藤波vs長州に続いておこなわれたのが、タイガーマスクvsレス・ソントンのNWA世界ジュニアヘビー級選手権試合。ソントンにすれば同年5月に奪われた王座の奪回戦。しかし、ベルトを巻いてリングに上がった王者を襲ったのは、この日、試合が組まれていなかった小林邦昭だった。

 長州とともにメキシコ遠征から凱旋帰国していながら、ここまでこれといった試合は組まれておらず。翌週オンエアされる10・26大阪でタイガーへの挑戦(WWFジュニアヘビー級王座)こそ決まっていたものの、ここまでTV登場もなし。このままでは単なる挑戦者の1人で終わってしまうという危機感と、10・8後楽園で思い切った行動に出た長州に刺激されて動いたのだった。

 虎ハンター誕生の瞬間。この日はマスクに手を掛けなかったものの、10・26大阪ではベルトとそっちのけでタイガーのマスクを剥ぎ、広島大会以上のインパクトを残した。そしてこちらの決着戦も11・4蔵前で組まれた。

 タイガーvs小林邦昭(NWA世界&WWF両ジュニアヘビー級選手権試合)、藤波vs長州(WWFインターナショナルヘビー級選手権試合、猪木vsはぐれ国際軍団の1対3変則マッチがラインアップされた11・4蔵前の視聴率は23.7%。『ワールドプロレスリング』史上12位の記録をはじき出した。

 名勝負数え唄第1戦、そして虎ハンター誕生劇……新日本における2つの大事件が、しかも同日に起こった舞台が広島県立体育館だった。
(この項おわり)

橋爪哲也

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