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2022-03-05

【ボクシング】会心ワンパンチTKO 岩田翔吉、鮮やかすぎるV1

速くて、思い切りのいい岩田の攻めに大内は応戦の手立てがなかった

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 日本ライトフライ級チャンピオンの岩田翔吉(帝拳)は、5日、東京・後楽園ホールでタイトルマッチ10回戦を行い、3位の挑戦者、大内淳雅(姫路木下)を初回1分12秒、ものの見事にTKOで打ち破り、初防衛に成功した。WBAランキングではすでに2位、WBC、WBOでもトップ15に名を連ねる岩田は、素晴らしい勝ちっぷりで、いますぐ世界への進軍も期待される存在になった。

 同じ文言を繰り返すのは、記事として好ましくはないのだが、「お見事!」と声をかけるしかない。キレッキレとはまさしくこういうことだ。11月の王座決定戦で芝力人(真正)を自在にコントールした試合も立派だったが、今回はそれ以上の出来栄えだった。

 4度目の挑戦で、36歳にして初のタイトル奪取を狙う大内とは昨年6月に対戦し、大差判定勝ちを収めているが、倒しきることはできなかった。これが37戦目(22勝8KO3敗1分)、キャリア20年近くの挑戦者には、確かに飛び抜けた力はないかもしれないが、どこまでも食い下がるしぶとさがある。さらに年齢的にもラストチャンスの覚悟もできていたはずだ。

 だが、そのベテランが岩田の“速さ”にまるでついていけない。左フックのボディブローが何発かスマッシュヒットし、何とか立て直そうと大内が左を伸ばしたところに、長い射程から右ストレートが顔面を弾いた。ポトンという感じで倒れ込んだ大内は立ち上がったが、自分の体をコントロールできない。染谷路朗レフェリーが抱きかかえながらストップをコールした。大内は足を痛めたのか、自力で控室に帰れなかった。
岩田の会心の勝ちっぷりには世界の予感がプンプンと漂う
岩田の会心の勝ちっぷりには世界の予感がプンプンと漂う

 勝者は「想定よりずっと早いKO決着」(粟生隆寛トレーナー)に満足しているはずだが、「子供のころから得意にしてきたパンチで倒したのはうれしい」としながらも、その顔は意外や硬い。もはや、自分が目指す地点はここにはないと、今日の勝利で実感したのか。チャンスがあれば、ジム側からゴーサインが出れば、いつでも世界に向かう準備はできているという。19日に京都で行われるWBCの世界戦(矢吹正道対寺地拳四朗戦)は、ジムのOKが出れば、粟生トレーナーとともに観戦に行くという。

 わずか72秒ですべての試料にブルーマークをつけるわけにはいかないのだろうが、その切れ味を見る限り、ボクシングの全景は相当のレベルにまで達しているように見えた。あるいは、ニュースター誕生の日は遠くないのかもしれない。8戦8勝(6KO)。
ボディにタイムリーな左をヒット。波田は無難に試合を運んだ
ボディにタイムリーな左をヒット。波田は無難に試合を運んだ

 前座のスーパーフェザー級8回戦では、8連勝を続ける日本同級9位、波田大和(帝拳)がサウスポースタイルからの左ストレートをボディから顔面に効果的に集め、齊藤洋二(角海老宝石)を無難にコントロールしていった。タイムリーな左アッパーも好機を作った。そして7回、左目を腫らした齊藤に、波田の左ストレートが無反応に打ち込まれたところでレフェリーが試合を止めた。タイムはこの回2分58秒。

 波田は13戦12勝(11KO)1敗。齊藤は8戦3勝(3KO)3敗2分。

文◎宮崎正博 写真◎馬場高志

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