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2022-03-12

【ボクシング】「キャリア中、いちばん自信ある」。練習公開の王者・矢吹正道、順調

調整順調の王者・矢吹

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 19日、京都市体育館で前王者で1位の寺地拳四朗(30歳=BMB)の挑戦を受けるWBC世界ライトフライ級チャンピオン矢吹正道(29歳=緑)が12日、名古屋市内の所属ジムでの練習をオンラインで公開した。

文&写真_本間 暁
※写真は3月4日の取材時

 普段からそうだが、よりいっそうテンポよくしゃきしゃきと話す矢吹には、一点の曇りもない様子が窺える。

「いつもどおり順調です。キャリア17戦の中で、いちばん自信あります」


 建設業を営むが、世界チャンピオンになってからはボクシングに専念。以前は午前中のロードワークをこなせなかったが、その時間を取れるようになったこともあって「練習の質も量も上がった」というのがそのひとつ。昨年9月の対戦前は、「試合の直前まで(戦い方に)迷いがあった」と先週の本誌の取材時に語っていたが、今回は「1回戦っている相手なので何をすればいいか分かってる。相手が嫌がることを明確にやる」とするべきことがはっきりとあることも大きい。

村上とのスパーではサウスポーになる場面も
村上とのスパーではサウスポーになる場面も

 松尾敏郎会長は「普段は(驕ったところもなく)何も変わらないが、ボクシングになると風格が出てきた」。加藤博昭トレーナーも「チャンピオンになってからの成長が著しい。すべての面で仕上がってます」と、こぞって矢吹を讃える。

 王者には絶対的な自信があるものの、過信はない。「ジャブと距離感が上手くて、スタミナがあってタフ」と寺地の強さを表し、「チャレンジャーの気持ちで臨みます」と、前戦同様のメンタルを作り上げている。

 昨日、“仮想・拳四朗”として前戦前にも重宝した川崎智輝(SUN-RISE)、日本フライ級9位の村上勝也(名古屋大橋)とのスパーリングを打ち上げた。ふたりと6ラウンドずつの、世界戦同様の12ラウンドスパーは計4回こなした。課題として挙げていた「スタミナ」は、先週見た印象ではクリアしているように感じた。

村上(左)、川崎と。スパーは昨日10日終了した
村上(左)、川崎と。スパーは昨日11日に終了した

 3週間の長期滞在で、計54ラウンドを戦った川崎は、本誌の取材で「拳四朗さんにスタイルが似ていると言われますが、それでは全然対応できなくなった。試合が近づくにつれて矢吹さんの殺気が凄まじい」と舌を巻いていた。

 今日公開したのはロープスキッピング1ラウンド、シャドーボクシング2ラウンドのみ。シャドーの2ラウンド目はサウスポーで行ってみせ、スイッチヒッターの弟・力石政法同様に、あらためて器用さもアピールした。

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