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2022-03-14

【大学駅伝】山本歩夢(国学院大1年)が全日本実業団ハーフで日本人学生歴代2位の好走、5000mでユニバー代表を狙う

山本は今年の箱根で3区区間5位と好走した

三大駅伝初出場となった、箱根駅伝3区区間5位の勢いをそのままに、全日本実業団ハーフマラソンでは日本人学生歴代2位となる1時間00分41秒という好記録をたたき出した。次は、5000mでワールドユニバーシティゲームズ日本代表を狙い、箱根1区での区間賞も視野に入れ、今年箱根1区の区間記録を15年ぶりに更新した吉居大和(中大2年)を追い抜くことを誓う。


勘違いに気づかず


学生選手として特別参加した2月13日の全日本実業団ハーフマラソンは総合8位でフィニッシュ。国学院大の山本歩夢(1年)は、山口・維新みらいふスタジアムの時計を見る余裕もなかった。最後のトラックで東洋大の松山和希(2年)に競り勝ち、学生では駒大の山野力(3年)に次いで堂々の2位。大粒の汗を拭い、息を整えてからタイムを確認した。ぱっと目に入ってきたのは『43秒』の数字。

「当初の目標は順天堂大の三浦龍司(2年)さんが持つ1時間01分41秒のU20日本記録だったので、あと一歩届かなかったと思い、少し残念な気持ちになったんです。一緒にエントリーした藤木宏太(4年/旭化成内定)さんに『2秒ダメでしたよ』と話すと、『お前は何を言っているの。1分、間違っているぞ』って。そのとき、初めて気がつきました。61分台だと思い込んでいたのですが、まさか自分が60分台で走っているとは……」

大きな勘違いである。記録は日本人学生歴代2位となる1時間00分43秒。レースの準備期間から好調を維持し、手応えをつかんでいたものの、想定以上のタイムには本人だけではなく、国学院大の前田康弘監督も驚きを隠せなかったという。

ただ、好記録を出す予兆はあった。底知れないポテンシャルは、今年1月の箱根駅伝ですでに証明済み。初めて臨んだ三大駅伝だったものの、3区でいきなり区間5位の快走を見せた。小学生から陸上一筋で長距離種目に取り組み、箱根は憧れの舞台だった。すべてを懸けるつもりで念入りに調整し、実力をきっちり発揮したことで大きな自信を得たという。

「あの3区があったから、実業団ハーフのスタートラインに立ったときも臆することはなかったです。箱根の往路で結果を残したことで、僕の人生は大きく変わったと思います」



文/杉園昌之 写真/大賀章好

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