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2022-03-13

【陸上】日本室内女子60mで東京五輪代表の青山がV 予選で大会新をマーク

前回大会でマークした7秒38を上回る7秒36を予選からマークした青山(写真/早浪章弘)

大阪・大阪城ホールで2日間に渡って開催された日本選手権室内兼2022日本室内大阪大会の2日目。日本選手権女子60mは、前回大会U20室内日本新をマークした青山華依(甲南大1年)と三浦愛華(園田学園女大2年)、青山と共に東京五輪4×100mRの代表だった鶴田玲美(南九州ファミリーマート)など注目選手が出場した。予選から大会記録をマークするなど好調だった青山が激戦を制し、7秒41で優勝を果たした。

冬の筋力アップが結果につながり予選から大会新

女子4×100mRの1走で東京五輪を経験した青山華依(甲南大1年)が、日本選手権室内女子60mを7秒41で制した。冬季にやってきたことの力試しの位置づけで迎えた、シーズン初戦。予選で大会記録を0秒02更新する7秒36をマークして、幸先よく発進したが、決勝ではタイムを伸ばせなかった。「体は動いていたのですが、何が悪かったのか、 分かりません」と声をしぼませた。

冬期は上半身の筋力アップに努めた。腕振りを力強くすることと軸のブレを改善させることが目的だ。「肩幅が広くなり、(上腕をさすりながら)ここも今までと違った厚みがあります。それで走りがどう変わったのか具体的には感じていませんが、タイムに出たので」と青山。昨年マークしたU20日本記録の7秒38を予選で更新したことには、冬の成果を感じ取っていた。

東京五輪以降、“オリンピックに出た選手”がつきまとうが、それを重圧にせず、「オリンピックに出たんだから」と経験を前向きに言い聞かせるようにしているという。

「ユニバー(ワールドユニバーシティゲームズ)に出場することと、日本選手権でメダルを取ること、世界陸上のリレーメンバーにしっかりと入って、アジア大会にも出たいです。日本インカレでは優勝を目指します」と、実現させたいことを次々と口にする青山。今年も立ち止まっている時間はなさそうだ。

 ただ、「スタートを足で出ちゃっているので、腕も使って、全身で出られるようにしたい」との思いは抱えたまま。自身の走りを「まだまだ完成していないと思います」と進化の余地を感じている。

 100mの自己ベストは11秒56。「11秒4台に乗って、0.1秒ずつ縮めていこうというのが私の考えです」。女子短距離を長く引っ張ってきた福島千里(セイコー)が引退した今、女子スプリントをリードしていく一人として、オリンピックの経験と“ちゃんとしなくちゃ”という思いを追い風にして、青山が駆け抜けるシーズンが始まった。

左から3位の三浦愛華、1位の青山華依、2位の三浦由奈(筑波大1年)。同世代で切磋琢磨し、短距離を盛り上げていく(写真/早浪章弘)
左から3位の三浦愛華、1位の青山華依、2位の三浦由奈(筑波大1年)。同世代で切磋琢磨し、短距離を盛り上げていく(写真/早浪章弘)

文/中尾義理 写真/早浪章弘

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