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2022-03-16

【相撲編集部が選ぶ春場所4日目の一番】髙安、平幕唯一の全勝で御嶽海と並走

右からの強烈な上手投げで琴ノ若を転がす髙安

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髙安(上手投げ)琴ノ若

初場所は所属する田子ノ浦部屋から新型コロナ感染者が出たため休場となった髙安が好調だ。番付は東7枚目に据え置かれ、前半戦は上位と当たらないだけに、初優勝の期待もかかる。

この日は3連勝同士の琴ノ若と対戦が組まれた。髙安左四つ、琴ノ若右四つのケンカ四つ。差し手争いが注目された。

立ち合い、琴ノ若は右にずれて当たり、右からおっつけて髙安の左差しを嫌う。その後は突き押し合いとなり、右四つに組み合った。髙安は不得手の四つながら左上手を取り、琴ノ若に上手を与えない。

琴ノ若は左を巻き替えにいくが、髙安はワキを締めてこれを防ぐ。動きの中で琴ノ若は二本差しとなるも、髙安に右上手を取られて窮屈な体勢。髙安は右からの強烈な上手投げで琴ノ若を転がし、初日から無傷の4連勝を飾った。

「厳しい相撲を取ろうと思っていました。相手の得意の形にならないようポイントを押さえて取りました。押し合いになっても引かずに攻めた分、右四つになっても形はよかった」と髙安は振り返った。

先場所は思わぬ休場になってしまい、「場所前に順調にきていたので、残念な気持ちはありましたけど、1場所なかった分、体のケアができたので、結果に出ていると思う」と体調はいいようだ。

「去年もケガが多かったので、同じケガをしないように取り組んできました」と語るように、ケガが原因で大関から落ちたので、32歳となっても体力の衰えは感じられない。

現役の大関経験者で優勝がないのは髙安だけ。一番の目標は優勝だ。夫人の演歌歌手である杜このみさんが第二子を妊娠しており、これも発奮材料になる。

「2年ぶりの大阪でやり甲斐があります。思い出のある場所ですから」と髙安。過去、大阪では4回の二ケタ勝利を挙げ、優勝に近づいた場所もあった。ゲンのいい場所で初優勝を虎視眈々と狙っている。

文=山口亜土

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