琴ノ若(送り出し)佐田の海6日目を終えて全勝の髙安を追う1敗力士は御嶽海、若隆景、琴ノ若の3人。7日目はその中から琴ノ若を取り上げたい。
琴ノ若は先場所、東14枚目で千秋楽まで優勝に絡む活躍で11勝を挙げ、2回目の敢闘賞を獲得した。西6枚目まで番付を上げた今場所も好調で、敗れたのは髙安戦だけ。髙安は琴ノ若を「非常にポテンシャルの高い力士」と評していた。
7日目は佐田の海と対戦。過去は琴ノ若の3戦3勝だが、中に入られないように注意したいところだ。立ち合い、ワキを締めて下から手を出して当たった琴ノ若。佐田の海の左差しを封じ、右の差し手を上から押さえて右に少し動いてイナすと、泳いだ相手をそのまま送り出して1敗を守った。
「相手は差し手がうまいので、立ち合いは二本差し狙いでいった。そのあとは体が動いてくれた」と振り返る琴ノ若。
先場所と今場所の相撲を見ると強くなったなという印象だ。体重も少し増えたようだ。「持っていかれなくなったかなと思うけど、前に攻めていくから重さも生かせると思う。いい稽古ができたので、あとは場所で自分のできることを出すだけ」と語る。埼玉栄高の後輩・琴勝峰も幕内に戻ってきて刺激になっている。
優勝争いについて聞かれると、「まだ勝ち越したわけじゃないし、最低限の目標が勝ち越しなので、一生懸命にやれば結果が出ると思う」と優勝はまったく頭にない。
今の大きな目標は新三役昇進。11番以上勝てば、春場所後に上がれるかもしれないし、現在の充実ぶりなら、近いうちに上がれるだろう。大関以上も夢ではなくなってきた。琴櫻を名乗る日が来るかもしれない。
「これからも簡単に引かないように、前に攻めることを考えて取っていきます」と今後の意気込みを語ってくれた。
文=山口亜土