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2022-03-25

スターダム両国出撃へ、世羅りさ、鈴季すずらプロミネンスが決起。すず「ジュリアと闘うまでトコトンいく」

スターダム3・26&27両国に乗り込むプロミネンス

女子プロレス団体「スターダム」3・26&27両国国技館に乗り込むデスマッチ&ハードコアユニット「プロミネンス」の世羅りさ、鈴季すず、宮城もち、藤田あかね、柊くるみ(欠場中)の5人が女子プロ界ナンバーワン団体との大一番を前に集結した。
スターダム1・29名古屋にサプライズ登場したプロミネンス
注目は、抗争のキッカケとなったドンナ・デル・モンドのジュリアとの禁断の再会に情念を燃やす〝19歳の狂乱娘〟鈴季すず。両者の間にはさまざまな因縁が渦巻いているが、両国2連戦で2人の邂逅が実現するかどうかは不透明な状態にある。

対戦カードを見てみよう。

26日は▼世羅&すずvs舞華&テクラ。27日は▼世羅&すず&あかね&もちのプロミネンスフルメンバーと舞華&ひめか&テクラに26日のワールド・オブ・スターダム戦(王者・朱里vs挑戦者・ジュリア)の敗者を加えた4人が激突。つまりすずとジュリア、2年4カ月ぶりの〝姉妹対決〟の実現は、26日にジュリアが赤いベルト戦に敗れることが条件になる。
因縁渦巻くすずとジュリア。2人の禁断の再会は実現するのか
すず「ハッキリ言って心おどらないですよ、この状況は」

すずにとって最初の対スターダム、舞台は両国国技館という大会場。女子プロ界ナンバーワン団体にケンカを売ったプロミネンスにとって最高のシチュエーションと言える。

蛇足だが、鈴季すずのファイトを見たことがないファンは彼女にどんなイメージを持っているだろう。蛍光灯を片手にジュリアにケンカを吹っ掛けてきた荒くれ者、そんな印象の人も多いかもしれない。

たしかに19歳がプロレス人生を懸けているのが血みどろの闘いであることは間違いない。

だが、すずの魅力はそれだけじゃない。通常ルールにおいてもリング狭しと暴れ回るそのファイトは一見の価値がある。若干17歳にして団体最高峰王座(ICE×∞)を奪ったジャーマンは強烈そのもの。アイスリボン時代は若き希望として団体を照らし、デスマッチ&ハードコア路線に舵を切ってからは男子のトップレスラー相手に引けを取らない強さを見せる。

リング上で爆発する感情は見る者を釘付けにし、リングを降りれば天性の愛されキャラでファンを魅了。2020年8月には、女子レスラーとしては史上最年少となる週刊プロレス単独表紙を飾るなど、スターダムで活躍する若きスター選手たちにもまるで引けを取らないレスラーであることは間違いない。
 
そんなすずだけに最高のシチュエーションで因縁のジュリアとシングルマッチで向き合っていたら……そんな想像もしてしまうが、そう簡単に事は運ばなかった。
すずが蛍光灯をスターダムに持ち込んだことに批判が殺到した
おまけにプロミネンスが闘うDDMは現在、お家騒動の渦中にある。赤いベルトを懸けて闘うジュリアと朱里は2人のタッグチーム「アルト・リヴェッロ・カバリワン」解散の道を選び、ワールド戦へ不退転の決意を見せた。そんな2人に対して他のメンバーは…。

本来、DDMの分裂騒動はプロミネンスに関係のない話だ。だが、両国2連戦で闘う対戦相手が自分たちよりもユニットの内輪モメに目が向いているように見えてしまう。

すず「こっちからしたらDDMが分裂しようが何しようが、どうでもいい話。だけど何回も乱入されて、スターダムのリングをムチャクチャにされててコイツらムカつかないのかなって思う。意外とスターダムっていう団体に気持ちがないんだなって。そんな相手にプロミネンスが負けるわけないですよ」
若干17歳にして週プロの表紙を飾ったすず。女子単独では史上最年少
3・26両国ですずは世羅とのタッグチーム「百火涼乱」で舞華&テクラと激突。「ひと言で言えばジュリアの金魚のフンたち」と対戦相手をコキ下ろす19歳は「テクラは(アイスリボン時代に)ウチらと散々闘ってきてるからかわからないけど、なんか冷静だし。舞華は〝あんなヤツらジュリアのところにたどり着く前に私が片づけてやる〟的なことを言ってたみたいだから、ちょっとは楽しみな部分はある。だけどテクラとの間に温度差みたいなのを感じるし、分裂騒動もある。26日の結果は見え見え、プロミネンスの勝利は揺るがないですよ」と言ってのける。

初戦を制した先に27日の4対4対抗戦がおこなわれる。ただ前述したとおり、DDMの出場選手はワールド戦の結果次第。すずは当然、ジュリアとの闘いを望むが、プロミネンスのリーダー格である世羅には別の思惑もあった。

世羅「この闘いのすべての始まりはすずとジュリアなので。もちろんこの2人の闘いは実現させたいし、私もその闘いは見たい。ただ個人的に舞華は面白そうだなって思ってますし、あとは…朱里が持ってる赤いベルトに興味があるので。そういう意味でも26日は朱里が勝って、ジュリアが27日の対抗戦に出てくるのがいいんじゃないかなと」

〝朱里が持つ〟という条件付きではあるようだが、スターダム最高峰王座に熱視線を送る世羅は、DDMの分裂問題に関して「我々に負けたら『プロミネンスのせいで(ユニットが)壊れた』っていう言い訳ができるじゃないですか。我々が悪者になってあげるので、いっちょ壊されてください」と言ってニヤリと笑う。

アイスリボン時代におこなわれたシングルでは世羅がジュリアに勝利している(‘19年8・24後楽園)
プロミネンスはフリーのレスラーの集まり。団体のバックアップがあるわけでも、大手資本の後ろ盾があるわけでもない。一戦一戦が生き残りをかけた勝負。常に崖っぷちを歩いていると言っても過言ではない。そんな彼女たちだから、スターダムという大国にケンカを売ることがどれだけ大きな意味を持つか十二分に理解している。

世羅「負けることは一切考えてないです。ただ、もし2連敗でもしようものなら一瞬で切られると思うので。このギリギリ感、最高じゃないですか。逆に2連勝して、DDMをぶっ潰して、スターダムのほかのユニットにもケンカを売ってやりますよ」

例えば世羅はワールド王者・朱里に、例えば宮城もちはコズミック・エンジェルズのウナギ・サヤカに興味を抱くなど「DDMをブッ潰した」先の青写真もプロミネンスにはある。

だが、やはりこの闘いの最大のテーマはすずとジュリアの闘い。果たして3・27両国で両者は相まみえるのか、はたまた実現せずに終わってしまうのか。

世羅&すずvs舞華&テクラ、そして朱里vsジュリアのワールド・オブ・スターダム戦がおこなわれる3月26日はプロミネンスにとって、そして鈴季すずにとって運命の日になる。

スターダム1・29名古屋に乗り込み、ジュリアと大乱闘
そんなプロミネンスによる一問一答は以下の通り。

すず「(スターダム両国2連戦の初日3・26両国ではDDMの舞華&テクラと対戦するが?)相手はジュリアの金魚のフンたちだなと。それでも自分にとってはファースト・スターダムなので楽しみな部分もあったんだけど…。

(あったけど?)DDMの分裂問題にばかり目がいって、プロミネンスのことを見えてないように見えるというか。それでいいんですか? それで負けたら超恥ずかしいんじゃないですか?って思いますね。

(目の前の相手に集中してないように見えると?)自分たちは乱入して、試合終わったあとのお涙頂戴のシーンをブチ壊したりもした。こんだけスターダムのリングをムチャクチャにしてるのにムカつかないんだなって。意外とスターダムに気持ちがないんだなって思いました。

DDMの内紛なんて、こっちからしたらハッキリ言ってそんなの知らねぇしって話だから。分裂する前にプロミネンスにやられてバラバラにならないように気を付けてねって感じかな」

世羅「我々は壊すことには慣れてますし、長けてますから。自分もジュリアにはエゲつない張り手をされたんでね。ヤツに張り手の借りも返したい気持ちがあるので。26日は朱里に勝ってほしいなと思います。ジュリア来いよと。朱里に負けて、傷心のジュリアをボコボコにして、DDMが完全崩壊するキッカケになってあげますよ。プロミネンスのせいで壊れたっていう言い訳を作ってあげますよ。我々は悪者でかまわないので。両国2連戦、2日間ともプロミネンスが勝って、DDMさようならでいいんじゃないですか」
第1弾プレ旗揚げ戦でおこなわれたトークイベントの様子
もち「(アイス時代)私、ジュリアからいろいろ話を聞いてたんですよ。でも、ジュリアがいなくなるとき、アキレス腱を切ってしまって欠場してたからホントに蚊帳の外っていう感じだったんです。それが最近、週プロのコラム読んだんですけど、この対決が終わった時、いろいろ話してみたいみたいなこと書いてあって。それってどうなの?って思うし、おせーよって話だし。両国2日目、ジュリアが来るなら一発ブン殴ってやりたいなと思ってます。アイツが大切にしてきたドンナ・デル・モンド、私たちがブッ壊してやりますよと」

 あかね「自分は(2・21)後楽園の試合(vs朱里&テクラ)がドローだったんで。ここは勝たないといけないなと思ってますね。今後どうなるかわからないDDMよりも自分たちのほうが阿吽の呼吸というか、目で合図ができるメンバーなので。ジュリアだろうが、朱里さんだろうが、どっちでもいい。自分はテクラとの闘いが消化不良だったので、今回こそやってやると思ってます」
リングを降りればこんな表情も
すず「SNSとかで『スターダムは格が違う』とか『プロミネンスはプロレスが汚い』とか見ましたけど、両国見ときなよって。私は1回も試合してねぇから。1回も試合してないのに一番叩かれてて、フラストレーションたまってるから(苦笑)。


しかも両国っていうデカい会場で、世羅さんとの百火涼乱で出れるっていうのはデカいですね。百火涼乱は自分がデビューした当初から組んでるタッグだから、プロミネンスのなかでも絶対のタッグだと思ってるので。その2人でスターダムの両国に出て、DDMを潰しに行けるというのは楽しみですよ。

 (27日の対抗戦に関しては?)ジュリアが来るのか、朱里が来るのかわからないけど……ジュリアは赤いベルト、赤いベルトって必死こいてるけど、それはおもしろくねぇなって思いますよ。だって私はジュリアを潰しに来たのに、8人タッグですら来るか来ないかわからない状態なわけだから。今週の週プロ読んだらレベルの低いことも言ってし。こんなので心躍ると思います? まったく踊らないですよね、正直。2日目のことは、初日が終わってジュリアと朱里、どっちが来るのか決まったら考えようと思ってます」
自由過ぎる5人によるデスマッチ&ハードコアユニット
世羅「(両国2連戦を終えたら対スターダムはどうなる?)どうなるんでしょうね。我々に負けたDDMが『まだまだ私たちは負けてないぜ!』ってなるのか、完全に崩壊するのかわかりませんけど。それ次第ですかね」

もち「自分はほかにも興味あるヤツいますしね。ウナギ・サヤカとか。両国2連戦を突破口にして、スターダム全体をプロミネンスがかき回してもいいんじゃないかなって思ってます」

 世羅「この機を逃さず、スターダムのいろんなところにケンカ売るのも面白いかもしれないですね」

 すず「ただ自分はジュリアと闘うためにスターダムに来たので。両国がどんな結末を迎えようと、ジュリアと闘うまではトコトンいきますよ。スターダム、DDM、スターダムファンがキーキー泣いちゃうぐらいまでやってやろうと思います」

試合に臨むすず

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