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2022-04-07

【ボクシング】村田諒太、ゴロフキン ビッグマッチ直前の心境を語る

ゴロフキンと村田。ともに胸にある闘志をすべては包み隠せない

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 9日、さいたまスーパーアリーナ開催のWBAスーパー・IBF世界ミドル級王座統一戦に出場する村田諒太(帝拳=36歳)、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン=39歳)の両者は、7日、都内で記者会見を行い、試合を直前に控える心境を語った。

 にこやかな表情を作って登場したゴロフキンは、終始、丁寧だった。背中をピンと伸ばして座り、これまでも何度となく聞かれたであろう質問にも、いやな顔ひとつせず答えていく。一方の村田の表情にはいくばくかの緊張感が浮かんで見えた。「これから、いろんな感情が動くと思います。リングに上がったとき、どんな感情になっているのか。そのときになってみないとわかりませんが」。慎重すぎる発言ではあるが、常に感情をコントロールし、最後の最後に気持ちを高い地点で整えるのが、村田の美点でもある。さして心配することもあるまい。
「リングに上がってみないと、気持ちの在りかはわからない」と村田は語るが
「リングに上がってみないと、気持ちの在りかはわからない」と村田は語るが

 当初の試合予定日から4ヵ月、延期になったことについてはともに前向きだ。ゴロフキンは「今の世の中、ふつうのことをするのが大変。この時期に試合を実現できたのは、関係者の大きな仕事があったからこそだと思います」。続いて村田も「ゴロフキン選手の答えが完璧なので、それをなぞりたい」と、試合関係者、ファンに感謝の気持ちを口にした。開催条件の確保、コロナウイルス感染の動向を見極めての対策。それらをクリアしてここまでこれたという思いは、関係者とともに選手も同じなのだろう。
「確かに言えるのは、この試合を見逃してはいけないということだ」
「確かに言えるのは、この試合を見逃してはいけないということだ」

 また、二人とも延期の期間はそのまま準備期間に充てられたと口をそろえた。

「いかなる試合に対してもプロフェッショナルに対応しています。対戦相手の研究に、より時間をつくれました。今、言えるのは9日の試合はおもしろくなる。見逃してはいけないということです」(ゴロフキン)

「時間が増えたことで、実戦練習がより多くできました。それだけ経験が積めたということです。それが結果につながるかどうか、神のみぞ知るですが、相応の努力はしてきました」(村田)

 減量後のリカバリーについても、ゴロフキンは心配していない。「専任の栄養士がついています。それに、ウェイト調整と言っても、私の場合は4ポンド(900グラム)くらいですから」。村田も減量苦という話は聞いたことがない。両者は万全の体調でリングに上る。日本人ボクサーがほんとうの意味でのプロボクシングの最高地点に挑む戦い。ゴロフキンが言うように、いかなる結末があったにしろ、この試合は必見である。

文・写真◎宮崎正博

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