今年2月に発売された5~10 ㎞など短い距離のロード向けコンセプトシューズ「ナイキ ズームエックス ストリークフライ(Nike ZoomX Streakfly /以下、ストリークフライ)」。快適性、軽量性、推進力、そして地面との一体感を追求し、マラソン・長距離レース用モデルとトラックスパイクとのギャップを埋めるために開発されたシューズで、スピードを求めるランナーのための、短距離レースや長距離レース用トレーニングシューズとして活躍してくれる一足だ。新色は5月4日からNikeアプリのメンバー限定で先行発売、13日から一部のナイキ取り扱い店舗で発売予定となっている。
「5~ 10 ㎞向け」の理由
ストリークフライは、シューズの外側に「5K/ 10K」とデザインがあしらわれているように、「5~ 10㎞のロード向け」と推奨距離を明確に打ち出しているシューズだ。日本でいえば短いロードレースや駅伝大会、トレーニングでは設定タイムの速い距離走に適しているといえるかもしれない。
なぜ、この距離向けのシューズが生まれたのか?
近年、ナイキは「ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%(以下、ヴェイパーフライ)」や「エア ズーム アルファフライ ネクスト%(以下、アルファフライ)」といったシューズで20㎞からフルマラソンにおいて存在感を示してきた。その間、アスリートたちは、レースのみならず、ヴェイパーフライやアルファフライを5~ 10㎞走などのスピードを追求するトレーニングでも着用するようになっていく。そうした傾向のなか、アスリートたちから多く挙がってきたのが『5~ 10㎞では、もっと(足裏の)接地の感触がほしい』という声だった。ハーフマラソンやフルマラソン向けのシューズと10000mまでのトラックレース用シューズ、その二つのカテゴリーの狭間にもアスリートの需要がある――。それが、ストリークフライの開発の着想に至ったという。
軽量化と安定性を実現
ストリークフライの特徴は、「軽量化」と「安定性」だ。
アッパーは、カーブでもスピードを追求できるよう、足を包み込む構造で安定性を担保。また、フィット感だけでなく、通気性と軽量性を追求するため、透け感のあるエンジニアードメッシュを採用している。
ミッドソールにはナイキで最軽量かつ反発性と弾力性に優れた「ズームエックスフォーム」を全面に使いつつ、PEBAXのプレートを中足部のみに採用することで、安定性と推進力のあるライド感を実現している。同時にソールの厚さはほかのレーシングモデルより薄くすることで、接地の感触を高めている。アウトソールは、さまざまな接地方法でも正しいトラクション(接地する足裏の運び)を実現する構造となっている。
重さ(片足)はウィメンズの25㎝が155g、メンズの28㎝が185g (26.5㎝は172g)と試着したアスリートからは、「履いている感覚がない」という声が多く聞かれたという。
ソールの厚さは25㎜を超えるため、世界陸連の規定ではトラック種目に出場できないが、40㎜以下というロード種目への出場基準はクリアしている。
ストリークフライの開発担当者であるエリオット・ヒース氏は、ストリークフライについて、次のように語っている。
「日本のレースシーンで、ストリークフライが大きな役割を果たすことは分かっていたので、開発の過程で、日本の大学や企業の駅伝チームを訪問してテストを行いました。5~ 10㎞のロードレース用に使うことはもちろん、ロードやトラックでのトレーニングでも使ってほしいと思います。スパイクを履くほどではない練習、スパイクの使用が禁止されている環境などでは最適な一足です」
着用する目的はアスリートそれぞれに異なっても、接地感を得ながらよりスピードを追求するには最適な一足であることは間違いなさそうだ。
▲外側には短距離ロード向けであることを示す「5K/ 10K」の文字がデザインされている。
価格は1万9250円(税込)。2月にナイキメンバー限定で発売された当初はホワイトをベースにした1カラー展開だったが、新色は5月4日(水・祝)よりNIKEアプリのメンバー限定で先行発売、5月13日(金)より一部のナイキ取り扱い店舗でも発売予定だ。
詳しい情報はNike.com、もしくはNikeアプリでアップデートされるのでチェックしてみよう。
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