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2022-05-17

【相撲編集部が選ぶ夏場所10日目の一番】一山本、2敗を守り幕内の勝ち越し第一号

休まず攻めた一山本が琴勝峰を突き出しで破り、勝ち越しを決めた

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一山本(突き出し)琴勝峰

平幕の4人がトップ集団で迎えた10日目、最初に登場した2敗の碧山は翠富士の肩透かしに敗れて一歩後退。続いて2敗の一山本が土俵に上がった。

対戦相手は琴勝峰で、幕内では先場所初対戦で琴勝峰が勝っているが、十両では3戦して3回とも一山本が勝利。一山本にとっては合い口のいい相手だ。

立ち合い、「モロ手だけだと軽いので」と頭から当たっていった一山本。立ち合いは押し勝ったが、琴勝峰は右に動いて勢いを逃し、下から突き上げて逆襲。一山本は後退しながらも左へ回り込み、バランスを崩した琴勝峰を休まず突き立てて、幕内の勝ち越し第一号となった。

「幕内では7勝7敗からしか勝ち越したことがなかったので、緊張したんですけどよかった。立ち合いで横に動かれて焦ったんですけど、落ち着いて取れました」と勝ち越しに笑顔を見せる一山本。

優勝争いについて聞かれると、「まだまだ実力が足りてないと思うので、その日の一番に集中して取りたい」と言いながらも、「二ケタは勝ちたいな」と本音も漏らす。

新入幕のときは7勝2敗から5連敗を喫して、千秋楽に勝ち越した。「そのときは三賞をもらえるかなとか考えて失敗したので、目の前の一番に集中していくが大事だと学びました」と苦い経験を教訓にしている。

一山本の場合、ギリギリまで上位とは当たらないと思うので、平成3年春場所の北勝海(八角理事長)以来となる道産子力士優勝の可能性もある。

その後、2敗力士は佐田の海が敗れて、隆の勝が勝利。2敗で隆の勝と一山本の2人、3敗で照ノ富士、霧馬山、宇良、碧山、佐田の海が追う展開となった。

名前が挙がった力士で三役以上は横綱照ノ富士だけで11日目は阿炎と対戦する。今場所の照ノ富士が負けそうなタイプであるが、ここを乗り切れば、照ノ富士逆転の目も出てくる。

文=山口亜土

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