13日、東京・大田区総合体育館で行われるWBOスーパーフライ級タイトルマッチ、チャンピオンの井岡一翔(33歳=志成)対1位の前チャンピオン、ドニー・ニエテス(40歳=フィリピン)戦の予備検診が、11日、都内の日本ボクシングコミッションで予備検診が行われ、コミッションドクターから両選手も健康であると診断さけた。「前回は体格面で優位も感じなかったし、やりづらさも感じませんでした」
決戦を控えた井岡の口調はどこまでも冷静ながら、言葉の奥には鋭さも含んでいた。昨年12月の福永亮次(角海老宝石)戦時に比べ、リーチで3センチ弱短く、胸囲で1・5センチほど小さくなったことについて尋ねられると、「こういった行事は世界戦の通過儀礼で、多少の数字の変化は意味がないと思います」と切り返した。
3年前に敗れたニエテスの再戦になることについても、その口ぶりは決して特別な何かを意味するものではないと断言した。
「(ニエテスに)に負けてから、4階級制覇も果たしているし、その負けはもう払しょくしていると思います。ただ、もう1度戦うことになったも運命だとは思っています」
そう発言に必勝の決意も感じた。
ドクターに診察される井岡をニエテスがのぞき込む 王座復活を目指すニエテスも、短く試合展開を予言した。
「前回と同じような試合になるでしょう。チャンスがあれば、KOを狙います」
チームの面々が蛇のイラスト入りのポロシャツで現れたことについては、「私のニックネームにちなんでいます」と説明した。“AHAS”はタガログ語で蛇を意味するという。
「プロモーターのペットの蛇の飼育係だったことで名づけられました。地元のセブ島の試合では蛇を首に巻いてリングに上がったこともあります。それに、私の戦いぶりが蛇になぞらえられることもあります」
対戦者に、試合展開に巻きつくようなしぶとい技巧は、井岡をどこまで苦しめるのか。試合当日まであと2日だ。
井岡一翔 体格データ
身長 164.6センチ
リーチ 166.0センチ
頸囲 35.5センチ
胸囲 86.4センチ
拳囲(左/右) 24.7センチ/24.2センチ
視力(左/右) 1.5/1.5
血圧 110/67
脈拍 75
体温 36.9
ドニー・ニエテス 体格データ
身長 160.4センチ
リーチ 165.4センチ
頸囲 34.2センチ
胸囲 84.4センチ
拳囲(左/右) 25.2センチ/27.0センチ
視力(左/右) 1.5/0.8
血圧 118/75
脈拍 58
体温 37.0
文・写真◎宮崎正博