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2022-08-26

【しゅりんぷ池田のカード春秋】弱くても魅力的だった80年代のスワローズ

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球団設立以降の歴史を振り返る

 各球団の歴史を彩った名選手たちをカード化するヒストリーシリーズ、今回は連覇を目指すスワローズが登場します。

 このシリーズでは選手個々のカード以外に、球団設立以降の歴史を振り返るサブセットも準備されているのですが、中でも目を引いたのが、「チームは低迷も人気を博した80年代」と題された1枚です。

No.04 チームは低迷も人気を博した80年代
2022BBMベースボールカード 東京ヤクルトスワローズヒストリー1950-2022 No.04 チームは低迷も人気を博した80年代

 ヤクルト球団は1978年に広岡達朗監督の下、初優勝を果たすのですが、同監督が翌年途中に電撃辞任すると、以降チームは再び低迷。続く80年代はAクラスは1年のみで最下位に沈むこと4度と、暗黒時代と言っても過言ではないチーム状況だったのですが、観客動員が落ち込むようなこともなかったのです。

 83年には〝甲子園のアイドル〟荒木大輔が入団して女性ファンが急増。87年途中に加入した現役メジャー・リーガー、ボブ・ホーナーが旋風を巻き起こし、この年観客動員が初めて200万人を超え、その後もそのラインをキープします。

 チームの雰囲気が良くなってきたのを感じたのは87年に関根潤三監督が着任して以降のこと。88年には広沢克己&池山隆寛の〝イケトラコンビ〟がそろって30本塁打&100三振をマーク。老監督の下、若手選手たちがのびのび自由奔放にプレーしており、明るい未来を感じさせたものです。そして、実際、続く90年代に野村克也監督の下、黄金時代を迎えることになったのは、皆さんご存じのとおり。

 弱くてもワクワク感に満ちていた、あのころのスワローズは、長いプロ野球史の中でも異彩を放つ、不思議な魅力があるチームだったと思います。
(週刊ベースボール2022年9月5日号 掲載記事再編)
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