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2019-12-24

【ボクシング】寺地拳四朗に漂う風格。 「自信はある。誰でもかかってきなさい」

7度目の防衛に成功したWBC世界ライトフライ級チャンピオン、寺地拳四朗(BMB)は一夜明けた24日、東京・九段のグランドパレスで記者会見に応じた。傷跡ひとつないその顔には、大きな自信だけが、しっかりと鎮座していた。

上写真=もはや風格しかない。寺地は「来る者拒まず」と戦うチャンピオンであることを強調した

ペースを上げたら、一気に仕留めてしまった

 会見は村田諒太(帝拳)の後を継いで会見場に入ってきた。トレードマークのにぎやかな笑顔はない。あるのは大王者の風格というべきものか。

「疲れたというのもないし、筋肉痛もありません」

 強打で知られるサウスポー、ランディ・ペタルコリン(フィリピン)をまったく問題とせず、ボディブローだけで4度も倒してけりをつけた。

 寺地を指導する三迫ジムの加藤健太トレーナーは言う。

「1、2ラウンドがスローペースだったから、ペースを上げろと言ったら、そのまま仕留めちゃいました」

 それでも、強くなるボクサーは満足だけで終わらない。

「被弾もちょいちょいあったし。足を使って全部かわして打つ、理想はまだ遠いですね」

 そういう言葉も、今の自分に絶対の自信があるからこそ言えること。自分はまだまだ強くなる。だれにも負けないはずはない。今回はIBFチャンピオンのフェリックス・アルバラード(ニカラグア)の病気で流れたが、王座統一をあきらめたわけではない。

「統一戦もどんどんやっていきたい。海外進出も視野に入れています。勝つ自信しかないので、戦う相手がどんどん来てほしい」

 まさしく揺るぎない自信。当然、最終的な目標、V13の日本記録更新も、しっかりと今後のキャリアに算入している。

「2020年はやれて二桁まで。再来年以降になりますね」

 それにしても、強打開眼は驚くばかり。倒しっぷりがすばらしい。

「タイミングが一番ですが、力まないで打つことですか。本格的な練習に入るときは、そう心がけていても、どうしても力んでしまう。そこのところを(加藤トレーナーと)相談しながら練習していると、どんどん力まなくなるんです」

 新たな境地はそうして切り開かれてきた。

「いつでも練習できる気でいるんですが……。とりあえず休みます。来年の初めにベトナムのペナンに行ってきます」

文・写真◎宮崎正博

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