八重樫東(大橋)の執念を断ち切り、三たび日本の挑戦者を退けたIBF世界フライ級チャンピオンのモルティ・ムザラネ(南アフリカ)。4度目の世界王座を目指した八重樫が36歳なら、こちらムザラネは37歳。衰えぬパワーを見せつけた。
「ヤエガシには、チャンピオンになろうという強い意志を感じた」と挑戦者の健闘を称えつつ「12ラウンド戦うつもりだったが、7ラウンドで勝利を確信した」。苦しんだかに見えた八重樫のボディブローも「確かに受けたが、ダメージはなかった」と、こともなげに振り返った。
「いつまで現役を続けられるか分からないが、まだまだやれるし、チャンピオンである限り戦い続ける」と語ったムザラネ。「ヤエガシだって、まだ続けられると思う」と、同じ歴戦の勇者にエールを送った。
取材◉藤木邦昭