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2022-12-20

【箱根駅伝の一番星】2年前に山上りで好走の城西大・山本唯翔、箱根を走れなかった2年間で芽生えたエースの自覚

山本唯翔(3年)

陸マガの箱根駅伝2023カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」では出場20校の注目選手を紹介。2年ぶりの箱根出場となった城西大で5区区間6位の実績を持つ山本唯翔(3年)。箱根を走れなかった2年間でエースの自覚が芽生え、2度目の山上りでは区間賞を見据える。

ひとりでペースを維持していけるように

城西大の柱となる選手だ。10月の箱根駅伝予選会では終盤に脱水症状気味になり、チーム内5位にとどまったが、11月に10000mでチームトップとなる28分25秒21の自己ベスト。2大会前に5区で区間6位と好走した経験を持つ心強い存在である。

「今回も5区を希望していて、区間賞を取ることを目標にしています」

昨年度の予選会でチームが敗退してから、自分が城西大を引っ張ろうという意識が芽生えた。今季前半戦は細かい故障が重なったため関東インカレは欠場したものの、夏までに5000mで13分台を連発するなど、スピードが向上している。早い段階から5区を見据え、練習後のウィンドスプリントを坂道で行い、また準高地で行われた夏合宿でも上りのコースを積極的に走ってきた。加えて2大会前以上の結果を残すために磨いたのが独走力だ。

「2大会前の箱根では他大学の選手が前に見えていたので、とにかく“前へ、前へ”という気持ちで走ったことが好結果を出せた要因だと思います。でもその走り方だと区間賞にはつながりません。前に誰もいない状態になっても、ひとりでペースを維持していけるようにならなければいけないと考え、普段のジョグでもペースを変えながら走るなど、目的意識を持って取り組んできました。自分としてはだいぶ力がついたと感じています」

山本を刺激するのが後輩の斎藤将也の存在だ。春に5000mの自己ベストで山本を上回っただけでなく、11月に行われた箱根駅伝5区の前哨戦とされている「激坂王決定戦」で優勝を果たした1年生である。斎藤自身は1区もしくは2区を希望しているが、彼も5区の有力な候補であることは間違いない。

「斎藤は一緒に練習することも多いですし、レースでも勝ったり負けたりしていて、ライバルだと思っています。この関係をチームの中で築けることはいいことで、チーム力の向上につなげるためにも切磋琢磨しながら力を伸ばしていきたいです」

激坂王決定戦で山本は斎藤に次いで2位。しかしこのときは練習用のシューズで走ったこともあり、櫛部静二監督は「この結果だけで判断することはありません。箱根駅伝の5区はもっと距離が長いですので、どちらを起用するかはほかの要素も考慮しながら判断します」と、チーム全体のバランスも見ながら区間編成するとの考えだ。

「最終学年となる次の大会はエース区間の2区を走りたいと思いますが、今回は2年分の思いもあるのでやはり5区にこだわりたいです。ただ、今ももうエースとして自覚はありますので、自分の走りで順位を押し上げ、チームの目標であるシード権獲得を手にします」

城西大の5年ぶりのシード奪還へ向け、静かに闘志を燃やしている。


やまもと・ゆいと◎2001年5月16日、新潟県生まれ。168cm・51kg、A型。松代中→開志国際高・新潟。城西大1年時の全日本大学駅伝でエース区間の7区を任され、区間13位。箱根は5区区間6位。今季、5000mで13分54秒49、10000mで28分25秒21と自己ベストを相次いで更新。ハーフのベストは1時間03分28秒(2020年)。

文/加藤康博 写真/中野英聡、大泉謙也

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