10月1日、大阪市のエディオンアリーナ大阪第1競技場でWBAスーパー世界ライトフライ級王座の2度目の防衛戦に臨むチャンピオン京口紘人(ワタナベ)が19日、都内の所属ジムで練習を公開。同級1位・久田哲也(ハラダ)との“大阪決戦”に向け、好調な動きを披露した。
写真上=”大阪決戦”に「すべての面で久田選手を上回る」と決意を見せた京口
プロ転向後1年3ヵ月、8戦目で世界王座に就き、12戦目で2階級制覇と無敗の進撃を続ける25歳の王者・京口に対し、久田はデビューから16年、46戦目で初めて世界挑戦のチャンスをつかんだ34歳の大ベテラン。その対照的な経歴に加え、京口は和泉市、久田は堺市と、ともに大阪の出身ということでも話題を集める一戦だ。京口にとっては、大阪での世界戦も初めて。「応援も今までの倍くらい。地元でいい試合をしたい」と張り切る。
「世界チャンピオンって、こんなに強いんだ、というところを見せたい」という京口が、今回の試合で命題に挙げるのは「すべての面で久田選手を上回ること」。身長はほぼ同じ、射程距離も共通するだけに、互いに「噛み合う」と意識するが、その中で「近い距離でも、打ち合いでも久田選手のやりたいことを上回る。いろんな引き出しを見せたい」と京口。「自分の考えるプランどおりにいけば、中盤以降に倒すチャンスも出てくる」と考えている。理想の展開は、崇拝する世界4階級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)が11年前、初の世界王座を獲得した新井田豊(横浜光)戦のような「八方ふさがりにしていく」詰め方だ。
今回は豪快なKOにはこだわらず、練習でもパンチ力よりディフェンスや接近戦など、細かい技術を磨いてきたという。この日に行った3ラウンドのスパーリングでも、来月デビュー戦を控えた法大出身の多田翔真を相手にブロッキングやジャブ、角度、手数などを意識。出力は6割くらいだったというが、強烈な右クロスや左ボディで2階級上の多田を追い詰め、すべての面で水準を上げた印象だ。多田も「上下、内外と打ち分けてきて、特に右は分からなかった。パンチも強く、ガードも固い」と「世界」の凄味に驚きを隠さなかった。
ウェイトは今日の時点でリミットまで4.2キロ。「早めにスタートしたおかげで調整も順調」と笑顔を浮かべるチャンピオンに、死角は見えなかった。
取材◎藤木邦昭
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