11月7日、WBSS決勝に臨むWBA・IBF世界バンタム級チャンピオン井上尚弥、WBC世界バンタム級王座統一戦に臨む同暫定王者・井上拓真、12月2日にWBOアジアパシフィック・スーパーライト級王座決定戦に臨む井上浩樹(いずれも大橋)が17日、長野県・軽井沢で走り込み合宿を開始した。
上写真=左から尚弥、浩樹、拓真。あんな走り込みをした後とは思えない、さわやかな笑顔
8月に行った宮古島での第1次キャンプで徹底的に長距離を走った彼らは、この2次キャンプでは同様のロングランに加え、平面でのダッシュを多く取り入れて、瞬発系も鍛える。
ウォーミングアップも兼ねた15km走を終えると、約100mのダッシュを繰り返す。その中には、これまた“恒例の”ジャンケンも取り入れ、負けた者は、外周600mあまりの中距離罰ゲーム。“遊び”もしっかり盛り込んで、厳しいメニューを明るく元気にこなすのが、高村淳也トレーナーのやり方だ。
「今回は、長丁場も想定して取り組む」と尚弥。決勝で戦うノニト・ドネア(フィリピン)との決戦に対して、どんな展開になっても勝つ。その準備、心の持ち様は、相変わらず抜かりない。
一緒のリングに上がる弟・拓真も、今回の取り組み方は目の色が違う。正規王者ノルディ・ウーバーリ(フランス)は、自他ともに認める強敵で、「いまのままでは勝てない」と拓真自身、警戒している。いつもは長距離もダッシュも兄・尚弥が一歩リードしているが、この日は必死に食らいついていく姿が目についた。
“罰ゲーム”で心が折れかけた従兄の浩樹に対し、叱咤激励の声をかけて奮い立たせる尚弥は、相変わらずの“長男ぶり”。目の色が違うものの、笑顔も普段以上に多く見られた拓真は、充実ぶりが表情に表れている。
3人は20日まで肉体を鍛えて、その後は実戦練習でさらに磨きをかけていく。
文&写真_本間 暁
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