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2022-12-23

ガッツ石松、ダニー・ホッジ、栗栖正伸…特別レフェリー列伝! 新日本プロレス歴史街道50年(59)【週刊プロレス】

アントニオ猪木vsレオン・スピンクス

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第57回ではレッドシューズ・ドゥーガン、清美川、コシキ・ジーン、豊登。第58回ではアントニオ・ロッカをクローズアップしてきた。今回もその続編として、新日本プロレスの歴史を彩ってきた特別レフェリーを紹介していく。

ロッカに次ぐ大物特別レフェリーはダニー・ホッジ。いわずとしてた元NWA世界ジュニアヘビー級王者。プロボクサーとしても8勝2敗の戦績を残しており、当時、総合格闘技の舞台があれば、トップクラスで活躍していたはずといわれたほどの実力者。1985年6月、IWGP&WWFチャンピオン・シリーズに来日。ハルク・ホーガンvs藤波辰巳のWWF世界ヘビー級選手権試合を裁いている(同年6月11日、東京体育館)。

特別レフェリーとして紹介こそされていないが、異色だったのが栗栖正伸。1982年11月4日、蔵前国技館でおこなわれたアントニオ猪木vsはぐれ国際軍団(ラッシャー木村、アニマル浜口、寺西勇)の1対3変則マッチを山本小鉄、柴田勝久とともに裁いている。

無謀ともいえる1対3マッチ。しかも猪木は3人からフォール、ギブアップを奪わなければ勝利にならないのに対して、国際軍団は猪木から1本取れば勝利となるルール。それだけでも大きなハンディなのに、乱入を許せばますます猪木不利になってしまう。そこで、できる限り公平に持っていくべくレフェリー3人制が採用された。

当初はミスター高橋がメインレフェリーを務める予定だったが、直前にアキレス腱を断裂。そのため急きょ、当時中堅だった栗栖が第3のレフェリーとして起用された。

小鉄がリングに飛び込んでくる国際軍団にタックル(今でいうスピアに似た形)を決めるなど体を張ってカット。柴田と栗栖両レフェリーは、リング下から反則に厳しく目を光らせ、時にはエプロンに立つ国際軍団の脚をつかんでリングインを阻止していた。

ほかにも異色のレフェリーといえば、猪木vsレオン・スピンクスの異種格闘技戦(86年10月9日、両国国技館)を裁いたガッツ石松が挙げられる。ただ3カウントが認められるルールだったのに加え、モハメド・アリ戦に比べると緊張感に欠けたこと、戦意喪失したスピンクスのギブアップの意思表示を石松が見落とす(見逃した?)レフェリングなどもあって凡戦に終わってしまい、その直前にパンチで記憶を飛ばされながらドン・ニール・ニールセンに勝利した前田日明に“格闘王”の称号を譲る形になった。(この項、つづく)

橋爪哲也

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新日本プロレス50年物語第1巻 昭和黄金期 | 週刊プロレス powered by BASE

四六判並製/288ページ【『新日本プロレス50年物語』シリーズとは?】新日本プロレス50年の壮大な歴史を3つの時期に分け、それぞれの時代をよく知る3人の筆者が三者三様の視点から出来事の背景やドラマを掘り下げる。歴史を読む!全3巻。【『新日本プロレス50年物語 第1巻 昭和黄金期』の内容は?】新日本誕生の1972年(昭和47年)から飛龍革命勃発の1988年(昭和63年)まで。『週刊プロレス』でおなじみのプロレス評論家・流智美氏が、学生時代からプロレス・ライター時代に至る折々において、自らの人生に「新日本プロレスの出来事や事件がどのような衝撃と影響を与えてきたか」を書いた“新日本体験記”。ファンとして多くの会場に足を運び、記者として多くの選手に接してきた筆者ならではの目撃談、証言が満載。昭和新日本の試合・会場・報道の様子や、当時の息吹が体感できる。【第1巻のもくじ】1章 猪木の黄金時代!(1972年~1977年)1972年(昭和47年)一流外国人はいなくても、団体としてのパッションだけはたしかにあった1973年(昭和48年)坂口、シン、星野、外国人勢…選手の質・量が一挙にスケールアップ!1974年(昭和49年)S・小林戦、大木戦…レスラー・猪木の「心・技・体」が頂点を極める!1975年(昭和50年)スーパー名勝負「猪木vsロビンソン」に出会えた幸せ1976年(昭和51年)異種格闘技戦は、レスラー・猪木の分岐点に。「名勝負の時代」から「好勝負の時代」へ 1977年(昭和52年)猪木vsモンスターマンは、「プロ格闘技」という新しい闘いのスタイルを生み出した!2章 新日本の黄金時代!(1978年~1983年)1978年(昭和53年)ジュニア戦士・藤波が「ポスト猪木」の座を射止める1979年(昭和54年)3団体参加の「夢のオールスター戦」が新日本の独壇場と化した!1980年(昭和55年)「昭和新日本の黄金時代」は、WWFとの蜜月関係抜きには語れない1981年(昭和56年)看板ベルト一斉返上とIWGP構想に戦々恐々1982年(昭和57年)猪木だけじゃない。藤波、タイガー、長州らがいる!「新日本黄金時代」がピークを迎える1983年(昭和58年)力道山時代を超越した! 「第1回IWGP」狂騒曲3章 日本人の戦国時代!(1984年~1988年)1984年(昭和59年)大量離脱が起きても揺るがない新日本の底力に脱帽1985年(昭和60年)ブロディとの「一期一会」にまつわるバーバラ夫人の貴重な証言1986年(昭和61年)UWFに始まり、前田に終わる。「格闘技」というジャンルが派生!1987年(昭和62年)「初代IWGPヘビー級王者」は3度も決められた! 1988年(昭和63年)昭和最後の年、藤波が猪木に対して見せつけた圧倒的な自信【注意】発送後の返品・返金は原則不可とさせていただきます。送料は無料ですが、通常3~5日でのお届けとなります。

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