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2022-12-30

“奇跡の一戦”へグレート・ムタ代理人の武藤敬司とWWEスーパースターの中邑真輔による決戦2日前の会見一問一答再録【週刊プロレス】

左から武藤敬司、中邑真輔

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30日午後3時より東京ドームホテルB1F「天空」にて、NOAH1・1日本武道館大会のグレート・ムタvs中邑真輔の会見がおこなわれた。

会見ではまずABEMA無料生中継の追加ゲストとして獣神サンダー・ライガーさん、ファンキー加藤さん、まつきりなさんに続いて、K-1世界三階級制覇王者・武尊さんが決定したことがアナウンスされた。また、中邑の入場時にはWWEでおなじみのバイオリニスト・リー・イングランドJrさんが生演奏することも明かされた。

ムタの代理人である武藤、中邑のコメントは以下。

武藤「武藤敬司の言葉として、シンスケ・ナカムラ、アメリカのタイトなスケジュールの中、1月1日、日本武道館で試合をしてくれて、ありがとう。オレが思うにグレート・ムタも中邑真輔も時代は違えど、ともに新日本プロレスのストロングスタイルで生まれ育ち、そこを飛び出して大海に出て、荒波にもまれて培った世界観(を持っている)。今回の闘いは世界観と世界観のぶつかり合い。たぶんほかのレスラーたちでは描けないアート、芸術的な最高の闘いになるような予感がします。

グレート・ムタ生まれて30数年経ちますが、過去にはアントニオ猪木、ハルク・ホーガン、スティング、(リック・)フレアー、スティーブ・オースチン、そうそうたる世界のトップと闘ってきました。その歴史のページに新たにシンスケ・ナカムラの名前が刻まれることを非常に喜んでいます。当日、武藤敬司からグレート・ムタに発破をかけておきます」

中邑「最初に武藤選手、NOAH、この試合を実現可能してくれたWWEに感謝を申し上げたいです。ありがとうございます。今、武藤選手がおっしゃった言葉の一つひとつが、自分にとってはこれ以上ない誉れというか。いまだ自分の中で夢の中にいるようです。このあり得ない状況、2022年、激動の時代に決定し、2023年1月1日、元日に実現する。いまだに震えてます。たぎってます、マジで。楽しいだけじゃない。この神がかった状況を味わい尽くしたいなと非常に高ぶってます」

――中邑選手のように高ぶりはありますか?

武藤「もちろんありますけど、今ちょっと見かけたけど、ジャケットにグレート・ムタの刺繍があって、オレの断りもなく、グレート・ムタの断りもなく、刺繍を入れてるのなら、ちょっとロイヤリティーが発生するんじゃないの(笑)」

中邑「個人的な趣味です(笑)」

――自身で作った?

中邑「そうですね。この世紀の一戦を祝うために、特別なものとしてあつらえました」

――今回の試合はGHCヘビー級選手権より後のメインで組まれたが、試合順については?

武藤「人の集中力は2~3時間ぐらいがピーク。今回、11試合。本当はもう少し早いところで試合をしたかった。まぁ、最近のNOAHの試合で日本武道館でフルハウスになったところを見たことがない。明後日の1月1日はほぼフルハウスの予定。ある意味でグレート・ムタvsシンスケ・ナカムラの商品価値が…こんなことを言いたくないけど、GHCヘビー級選手権よりも上。ただ今回はNOAHのファンじゃなく、一見さんも大勢見に来るはず。NOAHの選手たちは素晴らしい試合をして、その人たちのハートをつかんで、全員がリピーターになるように、NOAHの選手に期待しています」

――世界観のぶつかり合いという武藤の言葉があったが、どんな試合になる?

中邑「一度は引退試合の候補として挙げてもらった。非常に驚きと感激してまして、このカードの実現に向けて尽力させていただいたのがあるんですが、世界観の闘い…なんだろうな。それもある。でも、ボクの中では世界観の融合も起こればいいなと思います。かつリングに上がって、一旦触れてしまったら、そこから何が変化して何を感じるか、何が生まれるか。それがチープな言い方になりますが、非常に楽しみです。ある意味、恐怖でもあります」

――その時の感性を大切にする?

中邑「そうですね。今までもそうでしたし。だからこそ、全身全霊むき出しで1日の試合に臨みたいと思います」

――入場の演出を考えている?

武藤「たぶんないですね。普通通り。もしかしたらスモークとかあるかもしれない。今回、入場はシンスケ・ナカムラに譲りますよ」

――中邑のWWEでの活躍を気にしていた?

武藤「気にしようとしてなかったけど、必然的に情報として入ってきたり映像として入ってきたりして、気にせざるを得なかったのが実情です」

――中邑の活躍の中で一番印象に残っていることは?

武藤「確かコロナになる前、(2019年に)オレもニューヨークに行って、新日本プロレスのリングに出た時、彼はレッスルマニアに出てた。あれ、メインだったっけ?」

中邑「違います」

武藤「その前はメインでやってるよね(※注=中邑は2018年のレッスルマニアでは11試合中9試合目でWWE選手権に挑戦)。なかなかレッスルマニアのメインは普通のレスラーじゃできない。そのへんは素晴らしいと感じました」

――当初は引退試合の相手として名前が挙がったという話だが、それはなぜ?

武藤「率直にWWEでレッスルマニアのメインをやった商品価値。2月21日に東京ドームをやると決まってたんで、それを集客するには相応しいレスラーじゃないといけないと思ってオファーしました」

――キャリアの初期から武藤はどんな存在?

中邑「ボクはプロレス界に一歩足を踏み入れた時からファンであった気持ちは封印して、武藤選手にしても、蝶野(正洋)選手にしても、自分がファンとして見ていた先輩たちすべてに対して、競争相手であるという意識でとんがって接してきました。武藤選手とは過去2回IWGPを懸けて闘ってますが、その時は大きな壁として立ちはだかれ、自分としては目の上のたんこぶ以上にほろ苦い経験をさせていただいた。

今回、自分が闘うのはグレート・ムタですが、先ほども言いましたが、武藤選手に引退試合として名を挙げていただける。そして、武藤敬司がリングから降りてしまう、グレート・ムタが魔界に帰ってしまう。その状況の中では、どうしても自分の本物の感情をさらけ出さずにいられない。ボクの中で中高生の頃、グレート・ムタはボクのアイドルでした。大好きでした。その相手と時代は違えど、肩を並べることができて、そしてリングで対戦できる。言葉では本当に言い表せないけど、この実現に至る経緯も神がかってる。もうすでに感情がたぎりまくってる。そんな感じです」

――元日に日本で試合をすることについては?

中邑「日本で試合をすること自体、待ち望んでたこと。コロナもあって、3年以上日本で試合をすることができなかった。あとWWEの興行として日本に帰ってくることは何度かありましたが、今回はそれまでとはまったく違う状況での試合。特別なもの、奇跡的に実現に至った。かつ日本武道館、元日。これ以上の特別感はないと思います」

武藤「ところで、1月4日、東京ドームの新日本は行くの?」

中邑「その予定はありません。何も声をかけられてないので」

――ムタとの一戦がNOAHで実現することについては?

中邑「グレート・ムタの代理人である武藤選手はNOAHの所属。すべてにおいてこの試合は奇跡としか言ってない。それ以上にボキャブラリーがないのは申し訳ない。あり得ないことが起こったということにすべて総括されるんじゃないですかね」

――1年前だと実現していた?

中邑「ないです。実際に三度目の正直と言いますか。いろんなことがありました」

――キャリア20周年イヤーの締めくくりにこの一戦となるが?

中邑「意識してなかったですね。自分が20年やってるということもあまり意識してなかったです。でも、本当に何か見えない力に背中を押してもらってる感はあります」

――WWEスーパースターからムタ戦決定についてどんな反応があった?

中邑「みんな信じてなかったです。SNSに上げられた(対戦カードの)写真を見て『これ、いつやったやつ?』って聞かれたんです。『昔やったんでしょ?』って聞かれたんです。『違うよ。1月1日にやるんだよ』って言ったら、みんなアゴ外れそうになってました。あとはファミリーとしてプロレスを続けてる選手なんかもWCWのグレート・ムタを見て育ったので、ものすごく興奮してたり、レスラーじゃなくてもWWEのスタッフの方、照明の方とか普段、プロレスの話をしない方でも『すごいことが起こったな』って。そこまでの反応がありました」

――アメリカの反応を聞いてどう思った?

武藤「昔、苦労してがんばった成果というか、そういうものを言葉として聞けて嬉しいですね。レスラー冥利に尽きますよ」

――時代の転換期に実現した中邑戦で、時代を託すという気持ちは?

武藤「時代を託すとかおこがましいからさ。やっぱりシンスケが言ってた通り、そんなに重苦しく試合をしたくない。やっぱ楽しみたいよ。こっちが楽しまなかったら、きっと見てる人も楽しくないだろうなって。そんな気持ちで試合をします」

NOAH1・1日本武道館大会はインターネットTV「ABEMA」にて午後3時30分より生放送される。チケットは絶賛販売中だ。“奇跡の一戦”まであと2日!
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