10日(日本時間11日)、アメリカ・テキサス州グランドプレイリーで行われたウェルター級12回戦で、WBA同級10位のバージル・オルティス・ジュニア(アメリカ)が同14位のアントニオ・オロスコ(メキシコ)を6回2分16秒TKOで下した。オルティスはプロデビューからの全KO勝ち記録を14に伸ばすとともに、空位のWBAゴールド王座を手に入れた。
写真上=オルティスの左フックがオロスコをヒット
21歳の新鋭が注目のテストマッチをクリアした。活況の中量級、新世代の世界チャンピオン候補筆頭と言って、もはやさしつかえない。
米大手ゴールデンボーイ・プロモーションが抱える無敗ホープたちの中でもひときわ順調に、リングに上がるたびに評価を上げてきた若き“倒し屋”オルティスは、すでに元世界王者の肩書きを持つ二人のベテランを戦慄KOに仕留めてきた。だが今回迎えるオロスコは、昨年9月の世界初挑戦で、現WBC・WBO世界スーパーライト級王者ホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)に初黒星を喫したものの、2度の痛烈ダウンから立ち上がり、フルラウンドを戦い切ったタフネスの持ち主だ。再浮上を期すそんな31歳は、ホープに敢然と立ちはだかる。ダブルジャブやワンツーからの左フック、速いコンビネーションで強打を打ち込むタイミングを作り出したいオルティスに対し、オロスコは上体を柔らかく使いながら躊躇なく右カウンターを合わせ、左ボディブローを差し込んだ。
プロ入り後初めてとなる生まれ故郷への凱旋試合で、オルティスはやや力みもあったかもしれない。しかし4回にオロスコが右瞼を切り、勝負を急ぎだしてから流れは変わり始めた。そして6回。攻勢を強めたオルティスは左ボディブローを効かせ、その左を上に返してタフなオロスコをついにノックダウン。悔しがりながら立ち上がったベテランを怒涛の連打で再びフロアに跪かせ、さらに右からの左フックで尻もちをつかせてジ・エンド。レフェリーはカウントを数えずに手を交差させた。

オルティスは左を下から上に打ち込み、タフなオロスコを倒した
「正直に言うと、今日みたいな戦い方は好きじゃない。何ラウンド目か自分でわからなかったくらい夢中だった。最初の3,4ラウンドはとくにもっといい戦い方があったはずだと思う。今日はとても勉強になった」と語ったオルティスは、2016年7月のプロデビューからこれで14戦全KO勝ち。試合前から「いつ“世界戦”と声がかかってもいいよう準備している」とコメントしていたが、いよいよ陣営もそのタイミングを見極めにかかりそう。WBAスーパー王者マニー・パッキャオ(フィリピン)や同郷のIBF王者エロール・スペンスらをはじめ大物揃いのウェルター級。スーパーライト級から上げてきたばかりのオルティスには、体を作るためにももう少し時間が必要だろう。
敗れたオロスコは「バージルを難しい戦いに引き込んだはずだが、彼は素晴らしいファイター。文句のつけようがない」と語った。戦績は31戦28勝(17KO)2敗。
文◎宮田有理子
写真◎Tom Hogan-HoganPhotos/Golden Boy Promotions
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