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2023-01-26

内藤哲也から見たオカダ・カズチカ中編「入門テストしたら絶対落ちるようなレベル」…新日本プロレス歴史街道50年(65)【週刊プロレス】

2007年8月の内藤哲也vsオカダ・カズチカ(当時)

ともに世代交代を成し遂げようと考えていた内藤哲也。ところが新日本に戻ってきたオカダ・カズチカは、隣にいるのではなく対角線にいた。それによって、内藤の思い描いていた光景とはズレが生じた。

      ◇     ◇     ◇

実は闘龍門から移籍入門してきたオカダ・カズチカの新日本プレデビュー戦(2007年8月26日、後楽園)の相手を務めたのが内藤哲也だった。当時のオカダの印象をこう振り返る。

「新日本に入って練習し始めた時、体力的に全然ついてこれなくて。ハッキリ言って、入門テストしたら絶対落ちるようなレベル。基礎体力の面では全然ダメ。“入門テストって何のためにあるのかな?”“絶対落ちるレベルなのに、こうやってテストなしで入ってくるのはおかしいんじゃないか?”って考えたほどでした。だけど潰れても潰れても次の日になったら道場にいる。メンタル面は強いなって思ってましたし、実際、プロレス的な動きをさせるとうまい。毎日、歯を食いしばって練習についてくるオカダの姿を見て、気持ちはだいぶ変わっていきましたね」

そしてオカダの新日本デビュー戦を終えた試合後には、「これから先、何年、何十年と競っていく相手だと思う」と語っている。

その後、オカダとは勝ったり負けたりが続く。現時点での通算戦績はオカダの7勝6敗。にもかかわらず、「これだけ拮抗してるのに、大きな差がついているって感じてるファンは多いんじゃないですか?」と内藤。その要因は、タイトルマッチに関してはオカダが7勝2敗と大きく勝ち越しているから。初挑戦から権利証争奪戦も含めてIWGP王座絡みでは3連敗を喫した。

タイトルマッチで負けて、「G1クライマックス」などの公式戦では勝つという展開が続いた。タイトル戦以外でオカダが勝利していないのは不思議な現象でもある。また、内藤が連勝を記録したこともない。

「タイトルマッチは一発勝負。『G1』公式戦は一つひとつの試合はもちろん大事だけど、優勝を目指すにあたってって考えると、何試合かあるなかの1試合。自分はオカダ戦にすべて懸けてますけど、オカダは全体を見てあくまでリーグ戦の一つだと捉えている。もしくはそこまで思ってなかったのかもしれないですね。オカダに勝つってことはうれしいことですけど、その試合に懸ける思いの差がその結果になってるのかもしれない。リーグ戦だと勝てるのに、タイトルマッチになると勝てないもどかしさっていうのは確かにありましたね」

(この項、つづく)

橋爪哲也

<オカダvs内藤 シングル全戦績>

★2007年8月26日=東京・後楽園ホール(30分1本勝負)
 内藤(9分34秒、逆エビ固め)岡田かずちか
  ※オカダ新日本デビュー戦
★2012年3月4日=東京・後楽園ホール
▼IWGPヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
 <第57代王者>オカダ(28分50秒、片エビ固め)内藤<挑戦者>
  ※レインメーカー、オカダ初防衛
★2012年8月3日=東京・後楽園ホール
▼G1クライマックスBブロック公式戦(30分1本勝負)
 内藤(21分59秒、片エビ固め)オカダ
  ※スターダスト・プレス
★2014年1月4日=東京ドーム
▼IWGPヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
 <第59代王者>オカダ(30分58秒、片エビ固め)内藤<挑戦者>
  ※レインメーカー。オカダ初防衛
★2014年7月28日=宮城・仙台サンプラザホール
▼G1クライマックスBブロック公式戦(30分1本勝負)
 内藤(13分54秒、片エビ固め)オカダ
  ※スターダスト・プレス
★2014年10月13日=東京・両国国技館
▼IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦(60分1本勝負)
 オカダ(19分17秒、片エビ固め)内藤
  ※レインメーカー
★2016年4月10日=東京・両国国技館
▼IWGPヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
 <挑戦者>内藤(28分50秒、体固め)オカダ<第63代王者>
  ※デスティーノ。内藤が第64代王者に
★2016年6月19日=大阪城ホール
▼IWGPヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
 <挑戦者>オカダ(28分58秒、片エビ固め)内藤<第64代王者>
  ※レインメーカー。オカダが第65代王者に
★2018年1月4日=東京ドーム
▼IWGPヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
 <第65代王者>オカダ(34分26秒、片エビ固め)内藤<挑戦者>
  ※レインメーカー。オカダ9度目の防衛
★2020年1月5日=東京ドーム
▼IWGPヘビー級、インターコンチネンタル両選手権試合(60分1本勝負)
 <第24代IC王者>内藤(35分37秒、片エビ固め)オカダ<第69代IWGP王者>
  ※内藤がIC初防衛とともに2冠王に
★2022年2月20日=北海道・札幌きたえーる
▼IWGP世界ヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
 <第4代王者>オカダ(29分34秒、片エビ固め)内藤<挑戦者>
  ※レインメーカー。オカダ2度目の防衛
★2022年3月26日=大阪城ホール
▼ニュージャパンカップ準決勝(時間無制限1本勝負)
 内藤(27分42秒、ポルポ・デ・エストレージャ)オカダ
★2022年5月1日=福岡PayPayドーム
▼IWGP世界ヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
 <第4代王者>オカダ(34分12秒、片エビ固め)内藤<挑戦者>
  ※レインメーカー。オカダ4度目の防衛

<全13戦、オカダの7勝6敗>

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週刊プロレスNo.2227 (2023年2月8日号/1月25日発売) | 週刊プロレス powered by BASE

今週号の表紙は横浜アリーナでついにファイナルをむかえたグレート・ムタです。白使を流血葬で最後の最後までムタらしさを貫いたラストマッチを巻頭カラーから詳報。そのほかGHC王者が揃い踏みしたセミなど注目試合中心にリポート。新日本の横浜アリーナは昨年に続いてNOAHとの全面対抗戦。ロス・インゴvs金剛は昨年に続いてロス・インゴが勝利。大将戦に勝利した内藤哲也を解説を務めていた武藤敬司が引退試合の相手に指名して正式決定。翌日の名古屋大会で内藤に直撃インタビューで武藤戦の思いを聞いています。そのほか大荒れオカダvs清宮のタッグ対決、鷹木vsオーカーンのKOPW戦など詳報。週刊プロレス読者とモバイルユーザーの投票で決まる「プロレスグランプリ2022」の結果を発表。受賞者だけでなく各賞の上位10名まで発表しているのでランキングにも注目。また毎年恒例の「好きなプロレスラー」は50位まで発表。スターダムは高田馬場2連戦。ワールド王者・ジュリアが鈴季すずとの初防衛戦を前に試練の10人掛けにチャレンジした試合、若手主体興行「NEW BLOOD」で始まったタッグ王座決定トーナメントの模様も詳報。そのほか全日本・後楽園、DDT横浜、GLEAT新宿、ドラゲー神戸、天龍プロ新木場、東京女子・新宿、マーベラス新木場など掲載。【注意】発送後の返品・返金は原則不可とさせていただきます。送料は無料ですが、第三種郵便での発送となります。通常3~5日でのお届けとなります。また、事前に購入されても発売日にお届けすることは、お約束できません。ご了承ください。

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