2023年の箱根駅伝出場20校の出走選手、監督に陸上競技マガジンが独自アンケートを実施。2022年度の大学駅伝MVPを選出してもらった。箱根出場選手が選んだMVPは箱根2区で区間賞を獲得した吉居大和(中央大3年)。61票を集めた吉居は2年連続でのMVP受賞となった。2位は駒大三冠獲得のキーマンとなった田澤廉(駒澤大4年)。3位は箱根3区間で区間新の金字塔を打ち立てたイェゴン・ヴィンセント(東京国際大4年)が選出された。
※自チーム以外の選手が対象で、「 」内は選出理由(抜粋)、該当者なしの回答もあり。
箱根駅伝出場選手が選ぶ大学駅伝2022年度MVP1位:吉居 大和(中央大3年)61票「三大駅伝すべてで区間賞」「チームを先頭に押し上げた」
「どんなレースでも高いレベルで安定」
「あまりほかの選手を見てないのでよく分かりませんが、箱根で近藤幸太郎さんに競り勝ったのは本当にすごいと思います」
「エースの自覚が感じられた」
「すべてにおいて高水準で圧倒的だった」「そうそうたるメンバーのなかでのラストスパートがすごかった」
「すべてを凌駕していた」
「箱根で二年連続の区間賞」
「強すぎる」
「三大駅伝すべてでチームの流れをつくり、変える走りをした」
「顔、走りすべてがカッコ良かった」「誰もが印象に残る走りをした」
「前半からオーバーペースで突っ込んで、後半もペースアップできて、競技の面と気持ちの面でとても強かった」「一番、勝負強さを感じた」
「2区は後半がきついコースにもかかわらず、前半からハイペースで攻めて、後半、接戦だった状況からさらに一段階ペースを上げ、競り勝った」
2位:田澤 廉(駒澤大4年)47票
「三冠獲得のキーマン」
「ただただ強い」「4年間、常にトップで走り続けていた」
「コロナ明けにもかかわらずほかの大学のエースと互角に走っていた」
「安定感と爆発力」
「三冠の立役者であり、どんな状況でもエースの走りを体現した」「良い人で、強い」
「学生長距離界のエース」
「4年間素晴らしすぎて、おつかれさま!」
「駒大を4年間支えてきて最後の年に三冠」「年間を通して高いパフォーマンスを発揮。世界選手権にも出場し、学生トップとして世界への道を切り拓いた。駅伝ではエースとして常にチームに貢献している素晴らしい選手」
「精神的支柱であるエースがどんな状況でも強くあり続けたのは三冠を達成したチームに良い影響を与えていたと思う」
「世界選手権、出雲、全日本、箱根とすべてカッコ良かった」
「エースとしての走りに鳥肌」「外さない力を感じた」
左からイェゴン・ヴィンセント、近藤幸太郎3位:イェゴン・ヴィンセント(東京国際大4年)14票「3区間で区間新記録をつくる素晴らしい走りを今年もしていたから」「圧倒的な走りには衝撃を受けた」
「ごぼう抜きが印象的」「速い」
4位:近藤幸太郎(青山学院大4年)10票「青学大のエースだから」
「強かった」
「三大駅伝のすべてのエース区間でインパクトのある走りをした」「これまで田澤選手に負けていたにも関わらず、最後の最後はどんな理由であれ、箱根で勝った」
「田澤選手に果敢に挑み続けた姿に勇気と感動をもらった」「箱根で抜かれた」
「留学生でも対応できないスピードで先頭を追って走っていた」
左から岸本大紀、円健介、伊藤蒼唯5位:岸本 大紀(青山学院大4年)7票「箱根では8位でもらったタスキを3位まで押し上げて、見ていて最終学年の意地をすごく感じた。同じ新潟県出身で尊敬する選手」「箱根9区での圧巻の走り」
6位:円 健介(駒澤大4年)5票「大事な場面で外さず、チームの流れをつくっていた」
「4年目で大活躍して三冠に大きく貢献。学生スポーツのあり方を感じさせてもらった」「4年目にしてトラックで目立つ成績を残し、駒大の重要な戦力となった」
6位:伊藤 蒼唯(駒澤大1年)5票「1年生で堂々の区間賞」
「箱根6区で中大と30秒差しかない状況。ましてや後ろから来るのは4年連続6区の若林陽大選手。1年生ながら冷静で物怖じせず、区間賞を取る素晴らしい走りをした」左から中野翔太、新田颯、鈴木芽吹
6位:中野 翔太(中央大3年)5票「箱根で1位のタスキを守り抜き、3区区間賞。同じ区間で大差をつけられた」
「先頭でもらって青学大、駒大が追いかけてくるなかで攻めの走りをしていた。顔がカッコいい」6位:新田 颯(育英大4年)5票「大舞台で集団から抜け出す気持ちの強さ」「最初で最後の箱根を心から楽しんでいるように感じた」
「一番輝いていた!」
10位:鈴木 芽吹(駒澤大3年)4票「カッコ良かった」
「箱根4区のラストの競り合いで勝ったところが駒大の勝因の一つだと思ったから」
「出雲も箱根も泣いた」11位:大八木弘明監督(駒澤大)3票「最後まで選手に寄り添って指導をされていた」
「大学駅伝三冠に導き、田澤選手を世界選手権に出場させたりと、箱根駅伝に限らず、世界に通用する指導力」
11位:駒澤大 3票「三冠」
「誰一人外さずいい走りができていた」
11位:山本 唯翔(城西大3年)3票「箱根5区区間新と余裕そうな走り」
「箱根の上りで区間賞を取ったのが印象的」
14位:山野 力(駒澤大4年)2票「三冠のチームのキャプテン。今季の駒大は、誰一人外すことなく自分の力を発揮できていた。今までの駒大にはない雰囲気やチーム力を感じた。とても素晴らしいチームをつくったと思う」
14位:花尾 恭輔(駒澤大3年)2票「成長を感じた」
「全日本のアンカーで区間賞を取り、三冠に勢いをつけた」
14位:三浦 龍司(順天堂大3年)2票「世界選手権での果敢な走り、ダイヤモンドリーグや関東インカレでの驚異的なスパート」
17位:各1票山川 拓馬(駒澤大1年)「中大の阿部陽樹選手に一時詰められるも、1年生とは思えない後半の逃げ切りで山下りにアドバンテージを残してフィニッシュした。優勝の立役者」
若林 陽大(中央大4年)「高校の同期。中大の主将だから」
吉居 駿恭(中央大1年)「同じチームで一緒に走っていたときより強くなっていた」
田中 悠登(青山学院大2年)「箱根で悪い流れのなかでも区間新のペースで攻めた走りをした」
佐藤 快成(國學院大2年)「ケガで二年間活躍がなかったが、箱根10区でごぼう抜き」
平林 清澄(國學院大2年)「各校のエースに積極的に勝負していた」
四釜 峻佑(順天堂大4年)「必ず結果を出している」
平 駿介(順天堂大4年)「いい流れをつくった」
西澤 侑真(順天堂大4年)「三大駅伝すべてで活躍していた」
浅井 皓貴(順天堂大2年)「同じ中学出身で応援している選手。着々と力を付けて箱根初出場、2年生ながら7区区間3位と好走。これから先も楽しみ。順大に必要不可欠な選手になっていくと思う」
井川 龍人(早稲田大4年)「箱根で2区まで14位と沈んでしまったなかで、5位まで押し上げる走りをした」
中園慎太朗(法政大4年)緒方 貴典(創価大4年)「2年生から箱根にエントリーされながら出走なし。キャプテンとしての最後の箱根で9区区間2位と順位を上げる走り。集団を引っ張る姿も印象に残った」
葛西 潤(創価大4年)「高校から強い選手で、箱根でも強さを見せた」
嶋津 雄大(創価大4年)「創価大の勢いの流れをつくった」
山中 秀真(城西大3年)「箱根10区でシード権獲得に満足せず、10位の東洋大に勝ち切った」
清野 太雅(東洋大4年)「23㎞共に戦いましたが、最後まで粘り強かった」
前田 義弘(東洋大4年)「箱根では主将として諦めない走りでシード圏内との差を縮めて流れをつくり、それがシード権獲得の決め手になった。チームの士気も上がったと思う」
中央大「往路は駒大と30秒差、2区、3区で区間賞。駒大に一番対抗した」
城西大「山上りで圧倒的な走りの区間新記録、その流れでシード権を獲得した」
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