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2023-05-18

【関東インカレ】2部3000mSCの青学大対決で惜敗の黒田朝日、海外での強さの理由は「ピーキング」U20アジア選手権では優勝へ

黒田朝日(青学大2年)

5月11~14日に神奈川・相模原ギオンスタジアムで行われた関東学生対校選手権大会。青学大の男子長距離は、2部1500mで宇田川瞬矢(2年)と山内健登(4年)がワンツー、同5000mで鶴川正也(3年)が2年連続日本人1位の3位、同3000mSCで小原響(4年)と黒田朝日(2年)がワンツーと、多くの選手が表彰台に立つ活躍を見せた。

なかでも男子2部3000mSCは、小原が従来の大会記録を6秒以上更新する8分36秒09、黒田が8分38秒44とダブルで大会新。2位の黒田も3位に15秒近く差を付ける圧勝だった。

終始レースを引っ張った黒田は、残り1000m付近から小原とのマッチレースとなり、ラスト1周手前の水濠で小原にかわされた。「小原さんの作戦勝ちですね。ずっと引っ張らされて、使われて負けたとしか言いようがないレースでした。自分自身、今はこのレーススタイルでしか戦えないので、持ち札的にもこちらの方が少なかったということ」と潔く負けを認めた。

一方で4月の絆記録会で出した自己ベストを0秒11更新し、順位も昨年の3位から2位に。「タイムが出るようなレースではなかったのにタイムが出て、去年より順位も上げられたので、その点は良かったと思います」と手応えも語った。

ルーキーイヤーの昨シーズンは、日本選手権の3000mSCでU20世代最上位となる11位に入り、コロンビア・カリで行われたU20世界選手権の日本代表メンバーに選出された。カリでは決勝に進出し、日本人最上位の12位に。今季は4月にドイツで開催された『ADIZERO: ROAD TO RECORDS 2023』に青学大メンバーらと参戦し、5km男子で日本人1位の15位だった。海外のレース経験を着々と積み、勝負強さも発揮している。

「ドイツのレースは最初から2分30秒台ペースで入るなど、スピード感が国内のレースとは全然違いましたね。それを経験できたのはすごく大きな収穫でした。自分はピーキングが得意かなと思っていて、ドイツのときも合わせることができていました。それが結果につながったのだと思います」

6月4~7日に韓国・醴泉で行われるU20アジア選手権の3000mSC代表に選出されており、再び海外で力を試す機会が間近に迫っている。U20アジア選手権では、アジアチャンピオンを目指すという。

トラックや国際大会で活躍を見せた一方で、ルーキーイヤーの駅伝シーズンは全日本大学駅伝と箱根駅伝でメンバーに入りながら出場機会を得られなかった。2年目の今季、ロードシーズンの目標は箱根駅伝に「必ず出走」だ。

「去年1年間を通してスタミナの面はかなり強化されたと思っています。それでも箱根で区間上位で戦っていくためには、スタミナもスピードもまだまだ足りないです。20kmを走る上でのスタミナを夏合宿を通してつけていきたいと思います」

2008年に青学大が箱根路に復帰してから、三大駅伝で1年生の出走がゼロだったのは昨年度が初めてだった。来る駅伝シーズンに黒田が朝日の登る勢いで「ゼロ世代」だった2年生のトップランナーになることができるのか。まずはトラックシーズンの活躍から注目していきたい。


関東インカレ2部3000mSCで小原とワンツーを喜ぶ黒田(右)。青学大は山下悠河(4年)も5位に入り、3人全員が入賞


男子2部3000mSC決勝
優勝 小原  響(青学大4年) 8分36秒09=大会新
2位 黒田 朝日(青学大2年) 8分38秒44=大会新
3位 黒木 陽向(創価大2年) 8分53秒53
4位 溝口 泰良(創価大4年) 8分55秒87
5位 山下 悠河(青学大4年) 9分01秒02
6位 緒方  快(関東学院大2年)9分02秒16
7位 小早川凌真(城西大2年) 9分04秒72
8位 原  秀寿(国学院大3年)9分04秒84

写真/田中慎一郎、中野英聡 文/内田麻衣子

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